一戸建てに憧れがある場合は、損得考えずにマイホームの購入を検討しますよね。
しかし、住まいに対してこだわりがないのなら、一生賃貸住宅でも構わないという考えの方もいます。
マイホームを購入した方が金銭的にお得になるのなら検討するけど、そうでなければ賃貸で良いですもんね。
では、実際のところマイホームと賃貸はどちらを選ぶべきなのでしょうか。
金銭面以外にもさまざまな項目で比較して、自分に合った暮らし方を考えてみてくださいね。
【比較】賃貸住宅と一戸建てマイホームはどちらがいいのか
賃貸住宅と一戸建てのマイホームをさまざまな観点で比較してみましょう。
家賃と住宅ローンで比較する
家賃と住宅ローンで比較をしてみましょう。
仮に現在の年齢が30歳で、84歳(男女合わせた平均寿命)まで生きるという条件で考えます。
家賃と住宅ローンがどちらも8万円の場合は、間違いなく一戸建てマイホームの方がお得ですよね。
なぜなら、住宅ローンは35年間で支払いが終了するため、65歳以降は支出が無くなるからです。
反対に賃貸住宅の場合は、84歳まで家賃の支出があります。
退職して年金暮らしになると、支払いが苦しくなるケースも想定できるでしょう。
では、家賃が8万円で住宅ローンが10万円のケースを考えます。
- 家賃8万円×54年(648か月)=5,184万円
- 住宅ローン10万円×35年(420か月)=4,200万円
住宅ローンの支払いの方が約1,000万円安いです。
しかし、ここで単純にマイホームの方がお得と決めつけてはいけません。
なぜなら、次のようなケースが想定できるからです。
- 住宅ローンの金利が上昇し返済額が上がる可能性がある
- ずっと家賃8万円の賃貸住宅に住むとは限らない
まず、住宅ローンの金利上昇についてです。
現在は非常に低金利のため、将来金利が上昇し返済額が変わる可能性は考えられます。
しかし、1,000万円の差が逆転するほどの返済額増加は考えにくいと言えるでしょう。
続いて、賃貸住宅の引越しについてです。
子供が巣立った後や定年退職のタイミングで、駅近ではないコンパクトな賃貸に引越す方も少なくありません。
仮に、60歳で家賃6万円の賃貸住宅に住み替えたと仮定して、シミュレーションしてみます。
- 60歳まで:家賃8万円×30年間(360か月)=2,880万円
- 84歳まで:家賃5万円×24年間(288か月)=1,440万円
合計で4,320万円の家賃支払いです。
月10万円の住宅ローンの場合、合計の支払額が4,200万円でしたので、若干住宅ローンの方がお得という結果になりました。
ただし、120万円の差なので金利上昇によっては、同じくらいの支払額になる可能性はあります。
相対的に考えると、家賃と住宅ローンの比較だけでは一戸建てマイホームの方がお得になる確率は高いです。
ただし、家庭によって条件は大きく異なりますので、賃貸の家賃相場やマイホームの資金計画を立てながら、自分に合った内容でシミュレーションしてみてくださいね。
ランニングコストで比較する
ランニングコストについて比較してみましょう。
住まいには家賃や住宅ローン以外にも様々な費用がかかります。
- 光熱費
- 火災保険
- メンテナンス費
- 税金
- 更新料や引越し代
光熱費に関しては、住まいの規模や断熱性能、採用する設備などによって大きく異なります。
一戸建てマイホームの方が面積が大きいですが、最新の省エネ性能・設備が整っていれば光熱費を抑えることができます。
太陽光発電システムなどを採用すれば、自宅で使う電気を作り出すことも可能です。
反対に、コンパクトな賃貸住宅でも、断熱・気密性が低いと冷暖房代がかかりますし、トイレやシャワーの使用水量も多いです。
そのため、どちらの住まいの方が光熱費がお得になるか断言することはできません。
その他にも、毎月支払うものにインターネットの通信費などもありますよね。
賃貸住宅の中には、家賃の中に通信費が含まれていることもあるため、物件によってはお得になります。
火災保険は、賃貸・一戸建てマイホームのどちらに住む場合でも必要でしょう。
一般的には、一戸建ての方が保険料が高くなるケースが多いです。
建物の構造や住む場所によっても保険料は大きく変わります。
続いて、メンテンナンス費についてです。
マイホームの一戸建ては、メンテナンスが必要になったら自費で行う必要があります。
外壁や屋根の塗装メンテナンスなどは、一度に数百万円単位の費用がかかります。
他にも、設備や内装の修理や交換などが必要です。
アットホームの調査で、築30年以上の一戸建て住宅では平均総額532.1万円のメンテナンス費用がかかっているとの結果も出ています。
▷参考資料:2021年“新築一戸建て購入後30年以上住んでいる人に聞く「一戸建て修繕の実態」調査”|トレンド調査の調査データ|アットホーム株式会社
ちなみに、一戸建てのマイホームならメンテナンスがかかりにくい外壁材や屋根材を選んで、修繕費用を抑えることができます。
ただし、初期費用が高くなるため住宅ローンの負担が大きくなることも忘れてはいけません。
長い目を見てお得になる選択をしましょう。
一方で賃貸住宅の場合、管理費を毎月支払いますのでマイホームのような大きなメンテナンス費はかかりません。
家賃で損をしたとしても、ランニングコストで得をするというケースもあるでしょう。
また、メンテナンスはお金以外に手間もかかるため、その点でもメリットは大きいです。
他にも、一戸建てマイホームには税金がかかります。
毎年かかる税金は、固定資産税と都市計画税です。
築年数と共に税額は落ち着いていきますが、最初の内は大きな負担になります。
賃貸住宅のみかかる費用が契約の更新料で、一般的には2年ごとに家賃1~2か月分の費用がかかります。
仮に、家賃8万円の賃貸に54年間住み続けた場合の更新料は次の通りです。
- 更新料8~16万円×26回=208~416万円
一戸建てマイホームのメンテナンス費よりは抑えられそうですが、大きな出費です。
更新のタイミングで引越しをするなどの対策もありますが、引越し費用もかかりますので注意しなければなりません。
トータル的に考えると、賃貸住宅の方がランニングコストは抑えられる可能性があると考えられます。
ただし、こちらも条件によって大きく異なりますので、自分の暮らしに合わせてシミュレーションしてみてくださいね。
生活の利便性で比較する
ここからは、お金だけでは比較できないそれぞれの価値について考えていきます。
生活をしていく中で利便性は非常に大切ですよね。
マイホームの場合、都会に行くほど駅近の住まいは手に入れにくくなります。
土地が少なく価格も高いからです。
しかし、郊外に家を建てやすいため、車生活に慣れている方にとっては大きなメリットです。
学校や病院、大きなショッピングモールなどが近くにある郊外は多いため、不便さは感じにくいでしょう。
賃貸住宅の場合、ライフスタイルに合わせて利便性の良い物件を選ぶことができる点がメリットです。
通勤・通学をしているときは駅やバス停が近い物件、定年退職後は歩いてスーパーへ行ける物件などが良いですよね。
ただし、常に自分に合った物件があるわけではないため、物件探しが大変という点はデメリットです。
住まいの快適性で比較する
毎日過ごす住まいでは、快適性も大切ですよね。
住まいの快適性は、空気の質や温度などによる室内環境によって大きく変わります。
新築のマイホームの場合、高い断熱・気密性能を備えている建物が多く、快適な暮らしを送ることができる可能性が高いです。
最新のエアコンや全館空調システム、床暖房などを搭載すれば、居心地の良い環境を作ることができるでしょう。
また、最新の換気システムなら、外気の温度の影響を受けにくかったり、屋外の花粉や有害物質を除去してくれる設備もあります。
注意点は、築年数が経つと設備の質は落ちていくことです。
断熱・気密などの性能は常に改善されるため、新築時の設備が30年後にはメリットを感じにくくなっていることも。
また、全館空調のシステムなどは、交換に大幅な費用が必要になる可能性も高いです。
長い目で見てメンテナンスしやすい性能・設備の家を選びましょう。
賃貸住宅の場合、暮らす建物によって快適性は大きく変わります。
築年数の古いアパートの場合、快適な暮らしを送ることは難しいかもしれません。
新築の賃貸マンションなら、床暖房などの設備を備えた快適な物件で暮らすことも可能です。
賃貸住宅のデメリットは、隣家の音や臭いによって快適性が落ちる可能性がある点です。
ゆっくり休みたい時間帯でも上の階の人が騒いでいたらストレスが溜まりますよね。
隣の部屋の人がベランダにゴミを溜めていたら、洗濯物に臭いが付くかもしれません。
賃貸住宅ではマイホームよりも、近隣住民による影響が大きいと言えるでしょう。
暮らしの充実度で比較する
充実した暮らしを送れるのは、マイホーム一戸建てと賃貸住宅のどちらなのかを考えることも大切です。
一戸建てマイホームは、プライベートな庭を作れる点が賃貸住宅との大きな違いです。
庭で子供が走り回ったり、休日には家族でBBQを楽しんだりできるなど、賃貸住宅ではできない経験ができます。
また、注文住宅の場合は家族にあった間取りを選択できる点も魅力の1つです。
趣味やペットのためのスペースを作ったり、家族がゆったりと過ごせる吹き抜けのあるリビングなども作ることができます。
家での時間を大切にしたい方や、住まいを重要視するなら一戸建てマイホームの方が充実した暮らしが送れるでしょう。
賃貸住宅は、家で過ごす時間が短い方や様々な暮らしをしてみたい方に合っている住まいです。
共働きで忙しくてほとんど家に居ないから、住まいを重要視しない方もいますよね。
また、家族の成長に合わせて、部屋数や収納量を選べる点は魅力的です。
ただし、家で出来ることはマイホームと比べて限られてしまうため、たくさん出かけるなどして家族の思い出を増やしましょう。
資産価値について考える
最後に、住まいの価値について考えます。
賃貸住宅はいつまで住んでも自分のものになることはありません。
対して、マイホームは住まいとしての役割だけでなく、資産としての価値もあります。
仮に将来転勤で引越しが必要になったときにも、建物を売ることや貸すことが可能です。
また、建て主が無くなったときに、マイホームを資産として家族に残すことができます。
資産価値の面ではマイホームの方がメリットがあるでしょう。
【結論】家賃8万円の賃貸暮らしはもったいないのか
さまざまな項目で、マイホーム一戸建てと賃貸住宅を比較しました。
家賃の費用の差だけを考えると、家賃8万円の賃貸に住み続けるともったいない可能性が高いです。
しかし、さまざまな条件やランニングコストなども考慮すると、必ず損をするわけではありません。
自分の住まいに対する条件に合わせて、シミュレーションすることが大切です。
では、一戸建てマイホームと賃貸住宅は果たしてどちらを選ぶべきでしょうか。
大切なのは自分に合った暮らし方ができる住まいはどちらなのかを考えることです。
賃貸住宅は簡単に引越しができるという、可変性の高さがあります。
家族のライフプランに合わせて住み替えることで、常に暮らしやすい環境を手に入れやすいです。
ただし、住まいでできることの幅が狭まったり、隣や上の部屋の人に気を使うなどのデメリットもあります。
一戸建てのマイホームは、家族の暮らしに合った住まいを実現できることが最大の魅力です。
広い庭やガレージ、趣味スペースなど希望の空間を取り入れられるのは注文住宅ならではでしょう。
家族みんなでマイホームで過ごす時間は、かけがえのない思い出になります。
子供にとっても、何かあったら実家に帰って来られる安心感がありますよね。
一方で、簡単に手放しにくいというデメリットもあります。
近所付き合いが苦痛に感じても、賃貸のように気軽に引越すことはできません。
新築時は最高だったマイホームも、年数が経つと共に暮らしにくいと感じることも。
長くその土地・建物で暮らすことを考えて、建てる場所や建物の内容を考えることが大切です。
賃貸住宅とマイホームは、どちらにもメリット・デメリットがあります。
自分にとっての住まい在り方を考えながら、正しい選択をしてくださいね。
【おわりに】
あなたにとって住まいとはどのような存在でしょうか。
- 単に生活する上で必要な「箱」
- 家族の思い出を作っていく大切な「空間」
前者の場合は、可変性や利便性の高さを考えて賃貸住宅を選ぶことをおすすめします。
後者の場合は、住まいにこだわりを詰め込むことができる一戸建てマイホームを選びましょう。
中でも注文住宅を選ぶことで、家族に合った世界に1つだけの住まいを作ることが可能です。
自分達の暮らしが充実するような注文住宅をぜひ検討してみてくださいね。
アイリスホームでは、お客様の暮らしに寄り添った家づくりをしています。
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