注文住宅は、自分達の暮らしに合わせた間取りや設備を採用することができます。
しかし、すべての要望を取り入れることは難しく、住んでから後悔したと感じている方が多いことも事実です。
費用面が理由で諦めることもあれば、そもそも打合せ時には気付かなかったという失敗事例も。
そこで今回は、新築時に「やっておけばよかった」と後悔した間取りや設備を紹介します。
ぜひ家づくりの参考にして、同じような失敗を繰り返さないようにしてくださいね。
【間取り編】新築時にやらずに後悔したこと10選
新築時にやらなくて後悔した間取りを紹介します。
①動線を考えた間取りにすればよかった
生活イメージができておらず、動線を意識した間取りを採用しなかったことに後悔する方は多いです。
実際に暮らしてみると、次のような具体的な動線の不便さを感じる方もいます。
- キッチンと洗面所が近ければ家事が楽だった‥
- 玄関から直接パントリーに行けたら便利なのに
- ランドリールームとクローゼットを近づければよかった
生活ルーティーンを振り返り、行き来が多い空間や近いと家事が楽になる動線を考えてみましょう。
②吹き抜けや勾配天井をつければよかった
思ったよりも部屋が狭かったので、吹き抜けや勾配天井を採用すれば良かったと後悔する方もいます。
同じ広さでも吹き抜けや勾配天井のある家は、開放感が出て広く感じます。
平面的な図面だけを見て間取りを決めるのではなく、立体的なパース図などを見ながら間取りを決めると良いでしょう。
③脱衣所と洗面所を分ければよかった
プライバシー面を配慮した、脱衣所と洗面所を分けた間取りは人気です。
来客時に洗濯物などを見られなくて済み、家族が入浴中でも気兼ねなく洗面所を使えますからね。
家の大きさの兼ね合いで諦めたが、実際に住んでみたら「やっぱり採用すれば良かった」と後悔することも。
間取りの優先順位を考え、使う頻度の高い空間の間取りは妥協せずに採用することをおすすめします。
④ランドリールームを作ればよかった
リビングダイニングや和室に室内物干しをつけたが、専用のランドリールームを作ればよかったと後悔する方もいます。
後悔した理由は次の通りです。
- 来客時の目線が気になった
- 湿気が溜まって居心地が悪くなる
- 脱衣所から遠くて動線が悪い
- 料理のニオイなどが洗濯物に移る
専用のランドリールームを作れば、これらのデメリットを解消しやすいです。
外干しよりも室内干しをメインで検討しているなら、ランドリールームやガス乾燥機の採用を検討しましょう。
⑤細々とした収納をもっと作ればよかった
納戸やファミリークローゼットなどの大きな収納は作ったが、コンパクトな収納がなくて困ったという方もいます。
次のような場所に、細々としたものをしまえる奥行の浅い収納があると便利です。
- リビング:書類や常備薬、日用品をしまう
- キッチン:食料品の買い溜めをしまう
- 脱衣洗面所:下着やタオル、洗剤の買い溜めをしまう
- 玄関ホール:コートやカバンなどをしまう
- スタディスペース:子供の学校用品や本をしまう
- 廊下:掃除道具などをしまう
- ペットスペース:トイレ用品やお散歩用品をしまう
家庭によって収納が必要な場所は異なります。
どんなものが家にあるのかを振り返り、適量適所の収納計画を立てましょう。
⑥部屋数や広さを慎重に検討すべきだった
将来のことを考えず、部屋数や広さを決めてしまい後悔した方もいます。
具合的には、次のような例があります。
- 子供部屋が足りなくなった
- 将来的にワンフロアで生活できたらよかった
- 家族が集まるリビングを広くすればよかった
- 寝室は狭くてもよかった
一般的に暮らしやすいと言われている広さが、自分達に合っているとは限りません。
また、将来のことを考えて可変性の高い間取りを検討することも大切です。
⑦バリアフリーの間取りにすればよかった
ダウンフロアのリビングや小上がりの畳コーナー。
おしゃれな間取りとして人気がありますが、住んでから次のような理由で後悔した方もいます。
- 掃除がしにくかった
- お掃除ロボットが使えない
- 段差によって子どもがケガをした
- 空間が狭く感じた
- 老後に暮らしにくさを感じそう‥
暮らしやすさとデザイン性の高さは反比例することもあります。
生活イメージを膨らませて、必要に応じてバリアフリー化を検討しましょう。
⑧通り抜けられるクローゼットにすればよかった
シューズインクローゼットやファミリークローゼットを行き止まりの空間にした結果、後悔している方もいます。
通り抜けられる「ウォールスルータイプ」のクローゼットにすることで、動線を良くすることが可能です。
例えば、「玄関→シューズインクローゼット→洗面台→リビング」とつながっていれば、帰宅時の動きがスムーズですよね。
「洗面所→脱衣所→ランドリールーム→ファミリークローゼット」が一直線なら、朝の準備や洗濯も楽になります。
ただし、ウォールスルータイプにすることで、クローゼットの収納量が減ってしまうこともありますので、注意してくださいね。
⑨廊下を作ればよかった
「廊下=無駄な空間」と考え、廊下のない間取りを作ったら後悔したという事例も。
なぜなら、廊下がないことで音や目線が気になる間取りになってしまったからです。
具体的には、次のような意見があります。
- リビングと寝室が直結していると家族の話し声が気になって眠れない
- 玄関から脱衣所や日用品収納が丸見え
- 来客がLDKにいるとトイレの音が気になる
あえて廊下を作ることで、これらの失敗例を改善することができます。
廊下を作れない場合は、扉やロールスクリーンを活用するなどの対策をしましょう。
⑩トイレを2つにすればよかった
家を建ててから家族が増えて、トイレが混み合ってしまい後悔したという方もいます。
特に平屋の場合は、トイレを1つしか作らないというケースも少なくありません。
また、寝室からトイレが遠くて後悔したというケースも。
例えば、1つは来客にも貸しやすいように玄関の近く、もう1つは夜中にも行きやすい寝室の近くなどに配置すると使いやすいです。
現在の暮らしだけでなく、将来的な暮らしも考えながらトイレの数や配置を考えてみてくださいね。
【設備・性能編】新築時にやらずに後悔したこと10選
新築時に採用せずに後悔した設備や性能について紹介します。
①コンセントが足りなかった&位置が悪かった
コンセントが足りなかった、または位置が悪かったという後悔は多いです。
中には、家具や家電にコンセントが隠れてしまって使えなかったというケースも。
図面に家具・家電・インテリアの配置を書き込むと、このような失敗をすることはありません。
また、具体的な用途を考えながらコンセントの位置・高さを決めることをおすすめします。
②照明が暗かった(または明るすぎた)
照明が思ったよりも暗かった、または明るすぎたという失敗例もあります。
実際の明るさを体感できないため、イメージすることは難しいですよね。
明るさが不安な空間は、調光機能のある照明を採用すると良いでしょう。
また、電球の色によっても明るさの感じ方が異なります。
明るくしたい空間は昼光色、落ち着く空間にしたいなら電球色がおすすめです。
③照明のスイッチを複数箇所で操作できるようにすればよかった
照明のスイッチの位置に関する後悔も多いです。
特に、LDKなどの照明のスイッチを複数箇所で操作できるようにすれば良かったという声が多いです。
例えば、玄関からリビングへ入ったところにLDKのスイッチがあれば、帰宅時にすぐ電気をつけることができますよね。
また、階段付近にもLDKのスイッチがあれば、就寝前に電気を消してスムーズに二階へ行くことができます。
照明のスイッチを考えるときは、動線を意識してみてくださいね。
④大きい窓の断熱性を高めればよかった
リビングに大きな窓を付けたら、夏暑くて冬寒かったという失敗事例も。
家の中で熱の出入りが一番大きいのは窓で、夏場は約74%、冬場は約52%の熱が流入出すると言われています。
大きな窓は、熱の出入りが特に多いため室内環境にも影響を及ぼしやすいです。
室内の快適性を高めたいなら、大きな窓だけでも断熱性能を上げることをおすすめします。
⑤電動のシャッターにすればよかった
窓にシャッターを付けたけど、手動で上げ下げするのが面倒で使っていないという方もいます。
大きな窓のシャッターは重いため、開け閉めが大変ですよね。
また、たまにしかシャッターを使わないと滑りが悪くなって、余計に操作性が悪くなってしまうことも。
大きな窓や頻繁にシャッターを開け閉めしたい窓は、電動シャッターがおすすめです。
シャッターの操作時に窓を開けなくていいので、熱損失が少なく虫が入ることもないというメリットもあります。
⑥玄関ドアをスマートキーにすればよかった
玄関ドアをスマートキーにしなかったら、開け閉めが面倒だったという意見もあります。
お子様を抱っこしているときや、買い物袋で両手がふさがっているときなどに感じる方が多いようです。
スマートキーなら鍵を出さなくても、ワンタッチで開け閉めできて便利です。
費用対効果が高い設備ですので、ぜひ採用を検討しましょう。
⑦外構の水栓や照明を慎重に検討すべきだった
外構の水栓や照明の場所や数にこだわらなくて後悔したという方もいます。
洗車をしやすいように駐車スペースに水栓をつけたが、植物の水やりのために庭側にも水栓があればよかったなどの意見です。
また、防犯面を考えて玄関以外にも屋外照明を付ければよかったという失敗例も。
外構も建物と同様に、時間をかけてしっかりと設備を検討しましょう。
⑧宅配ボックスを付ければよかった
ネットショッピングを頻繁に利用するため、玄関先に宅配ボックスを採用すれば良かったという意見も。
後から設置することも可能ですが、ポスト一体型や建物に埋め込むタイプは早めの検討が必要です。
建物の打合せと並行して、外構についても考えておきましょう。
⑨メンテナンスの手間がかかりにくい外壁・屋根にすればよかった
標準仕様の外壁・屋根にしたが、いざ住んでみたらメンテナンスコストがかかって後悔したという事例です。
外壁や屋根はグレードを上げると大きな費用アップにつながるため、諦める方も少なくありません。
しかし、入居後のランニングコストも踏まえて考えると、新築時にお金を掛けておいた方が良いケースも。
初期費用だけでなく、トータル的なコストパフォーマンスを考えて検討しましょう。
⑩オプションの設備を採用すれば良かった
注文住宅にはこれまで紹介した設備や仕様以外にも、さまざまなオプションがあります。
費用アップを避けるためにオプションを付けなかったが、後から後悔したという方も多いです。
オプションは使用頻度や暮らしの質を高められるかを考えながら、優先順位をつけて選びましょう。
また、リフォームや後付けで対応できないものは、優先的に採用することをおすすめします。
新築時に「やっておけばよかった‥」と後悔しないためのコツ
住んでからの後悔をなるべく減らすためのコツを紹介します。
事前の情報収集に時間をかける
どんな家に住みたいかが分かっていないと、自分達に合った家を建てることはできません。
さまざま施工事例を見たり、見学会に参加したりしながら、注文住宅でできることを情報収集しましょう。
そして、自分達に必要な間取りや設備を取捨選択してくださいね。
具体的な生活をイメージする
マイホームに対する具体的な生活イメージを持つことも非常に大切です。
広いリビングが良いなら、なぜ広くしたいのかを明確にしましょう。
視覚的に広く見えればいいのか、置きたい家具が大きいから広くしたいかによって間取りは大きく変わります。
また、普段の生活ルーティーンを振り返り、どのような空間同士が近いと暮らしやすいのか考えてみてくださいね。
提案力のある住宅会社に家づくりをお願いする
住宅会社選びをする際は、提案力があるかを見極めることも大切です。
施主の言ったことしか反映してくれない会社では、自分達の知識の中でしか家づくりができません。
反対に、施主の要望をくみ取って暮らし方を提案してくれるような会社なら、自分達では思いつかなかった暮らしやすい間取りやアイデアを提案してくれるでしょう。
実際の間取りや設備をチェックする
採用するか迷っている間取りや設備があるなら、実際に体感することをおすすめします。
図面やカタログだけではわからない使い勝手や感覚を知ることができ、採用後のギャップを無くすことも可能です。
見学会やショールームなどに足を運んで、五感を使ってチェックしてくださいね。
コストパフォーマンスを考える
採用したい間取りや設備があるが、費用面で悩んでしまうという方も多いでしょう。
そのようなときはコストパフォーマンスを考えてみてください。
オプション費用に見合った効果があるなら、採用する価値があります。
ランニングコストが抑えられるなどの費用面の効果もあれば、時短につながったり暮らしの質が高まったりする効果も。
自分の暮らしにどのような影響を及ぼすのかを考えながら、検討することをおすすめします。
オプションのデメリットも理解する
オプションの便利さやデザイン性の高さなどに魅力に感じ、採用を検討する方も多いでしょう。
しかし、中には対策が難しいデメリットがある設備などもあります。
せっかくお金をかけて採用したのに、住んでから後悔してはもったいないです。
オプションを採用する際は、メリット・デメリットを住宅会社の担当者に教えてもらい、理解した上で採用しましょう。
家族全員が納得するまで話し合う
家づくりを進めていると、家族間で大きく意見が分かれることがあります。
間取りや設備などもそれぞれの要望があり、全員が納得しないまま決めると住んでから後悔することに‥。
しっかりと時間をかけて話し合いを行い、家族の意見がまとまってから打合せを進めることをおすすめします。
【おわりに】
新築時には決めることがたくさんあるため気付かなかったが、住んでから後悔したという事例はたくさんあります。
また、実際に生活してみて「失敗した!」とわかることもあるでしょう。
このような後悔を減らすために、ぜひ今回の失敗事例と対策を参考にしてみてくださいね。
しっかりと時間をかけてマイホームについて考え、満足の行く家づくりをしましょう。
アイリスホームでは、お客様の暮らしに寄り添った家づくりをしています。
お客様のご要望に合わせた間取りや設備の提案も強みにしておりますので、ぜひお気軽にご相談くださいね。