中庭のある家に憧れているけれど「大雨のときに水がたまらない?」「中庭から家の中に雨が入ってこない?」と心配される方もいるのではないでしょうか。
近年は、短時間に大量の雨が降る豪雨も多いため、中庭のある家を検討する際には、晴れた日の暮らしだけでなく、雨の日のことまで考えておくことが大切です。
そこで今回は、中庭のある家で大雨の際に起こりやすいトラブルと安心して暮らすために知っておきたい排水・防水対策について、南相馬市の工務店「アイリスホーム」が分かりやすく解説します。
中庭に雨水が集まりやすい理由

中庭は建物に囲まれているため、周囲に降った雨水が中庭側へ流れ込むことがあります。
例えば、中庭に面する屋根や外壁から雨水が集まりやすくなり、建物に囲まれた中庭では雨水の逃げ道がないと水がたまります。
また、中庭の床面積が広いほど、一度に処理しなければならない雨水の量も増えます。
そのため、中庭をつくる際には「排水口があれば大丈夫」と考えるのではなく、屋根・外壁・中庭の床・排水設備を含めて雨水の経路を計画することが大切です。
中庭=大雨に弱いわけではない
中庭のある家でも適切に設計・施工されていれば、大雨に対応できる住宅にすることは可能です。
むしろ、中庭をつくることを前提として、最初から雨水の流れを考えられるのが注文住宅のメリットです。
注意したいのは、デザインだけを優先して中庭を計画してしまうことです。
「ここに窓をつけたい」「フラットな床にしたい」「段差のない中庭にしたい」といった希望を実現するためには、それぞれに合わせた排水・防水の工夫が必要になります。
中庭のある家では、見た目と同じくらい「見えない部分の雨仕舞い」を丁寧に考えることが重要です。
重要なのは排水・防水・雨仕舞い
大雨への対策として確認したいのが、「排水」「防水」「雨仕舞い」の3つです。
- 排水:降った雨を速やかに排出するための仕組み
- 防水:雨水が建物内部へ入り込まないようにする仕組み
- 雨仕舞い:屋根や外壁、サッシなどの取り合い部分で、雨水が建物内部に侵入しないようにする考え方
どれか1つだけを強くすればいいわけではなく、「雨水を入れない工夫」「入ってきた水をためないための対策」「効率的に逃がす方法」のすべてを取り入れることが基本となります。
中庭のある家で大雨のときに起こりやすいトラブル

中庭のある住宅では、大雨の際にいくつかのトラブルが考えられます。
中庭に雨水がたまる
最も分かりやすいのが、中庭に雨水がたまることです。
中庭の床に十分な勾配がなかったり、排水能力が雨量に対して不足していたりすると、雨水がその場に残ってしまいます。
特に注意したいのが、普段の雨では問題なくても、短時間に大量の雨が降ったときです。
中庭を計画するときは日常的な排水だけでなく、大雨が降った場合にも雨水を処理できるかという視点が必要です。
排水口が詰まって水があふれる
排水設備があっても、落ち葉や砂、泥などがたまれば排水能力は低下します。
中庭は外からの風雨を受けるため、排水口にゴミが集まることもあります。
そのため、排水口を設置するだけでなく、掃除や点検がしやすい位置にすることも大切です。
また、排水口が何らかの理由で詰まった場合を想定し、水があふれた際の逃げ道(オーバーフロー)を設けることも重要になります。
中庭から室内へ雨水が入り込む
中庭に面して大きな窓や掃き出し窓を設けることは、中庭の魅力のひとつです。
一方で、窓の下端と中庭の床との高さ関係や、サッシ周辺の防水が不十分だと、強い雨の際に雨水が室内側へ侵入するリスクがあります。
特に、バリアフリーを意識して中庭と室内の段差を小さくする場合は、段差を小さくすることと雨水を入れないことを両立させる設計が必要です。
大雨や強風で雨が吹き込む
台風などの強風時には、窓やドアの小さなすき間から雨が吹き込む可能性があります。
そのため、中庭に面する窓やドアについては、単純に「屋根があるから大丈夫」と考えず、風雨を受けることを前提とした計画が必要です。
大雨に強い中庭のある家にするための排水・防水対策

大雨が降っても安心して暮らせる中庭のある家にするために検討したい、排水・防水対策をご紹介します。
中庭の水がスムーズに流れる排水計画を立てる
中庭の排水計画では、まず「どこに雨水を集め、どこへ流すか」を決めます。
中庭の床だけでなく、周囲の屋根から落ちてくる雨水についても考えなければなりません。
また、排水口を1か所だけに頼るのではなく、必要に応じて複数の排水経路を検討したり、万が一排水が追いつかなくなった場合のオーバーフローを設けたりすることもあります。
建物の形状によって雨水の集まり方が変わるため、間取りと雨水計画を同時に検討することが大切です。
床に適切な勾配をつける
中庭の床は一見すると水平に見えていても、雨水が排水口へ流れるための適切な勾配が設けられています。
勾配が不足していると水が残りやすくなり、反対に勾配がきついと使い勝手や見た目にも影響します。
タイルやコンクリートなど、仕上げ材によっても水の流れ方は変わるため、仕上げまで含めて床の勾配を考えることが重要です。
防水層と立ち上がりを適切に設ける
中庭では床面に雨水が直接入るため、床下や建物側への浸水を防ぐ防水も重要です。
特に建物と中庭が接する部分は、床と壁、サッシなど複数の部材が交わる場所になります。
こうした取り合い部分の防水処理が適切であることが、長く安心して暮らすためのポイントです。
浸水を防ぐサッシや窓を選ぶ
中庭のある家では、リビングなどに大きな掃き出し窓を設けることが多くあります。
開放感が生まれる一方で、中庭側からの雨水がサッシに集中しやすくなるため、窓そのものだけでなくサッシの防水性能や設置方法まで確認することが重要です。
- 水密性の高いサッシを選ぶ
- サッシの下端を中庭の床より低くしすぎない
- サッシ周辺の防水処理を確認する
これらのポイントを意識し、窓からの浸水を防ぐための対策を取り入れましょう。
屋根・雨樋からの雨水の流れも考える
中庭の雨水対策では、中庭そのものだけを見てはいけません。
屋根に降った雨水が雨樋を通り、どこへ流れるのかも確認する必要があります。
中庭の近くに雨樋の排水先がある場合、その水が中庭側へ集中しないように計画することがポイントです。
建物の形によって大雨対策は変わる

建物の形によって雨水の流れは変わるため、その家ごとに適した対策を考えることが重要です。
中庭のある家で採用されることが多い建物形状の特徴をご紹介します。
コの字型の中庭
コの字型は、建物の三方向で中庭を囲む形です。
リビングやダイニングなど複数の部屋から中庭を眺められる間取りにも向いています。
一方で、建物に囲まれる方向が多くなるため、屋根からの雨水や風で吹き込む雨の経路に注意する必要があります。
ロの字型の中庭
ロの字型は、中庭を建物が四方向から囲む形です。
外からの視線を遮りやすく、プライバシーの高い中庭をつくりやすい一方、雨水の逃げ道についてはより慎重な計画が必要になります。
特に、屋根からの雨水がどこに集まるのか、中庭の排水が詰まった場合にどこへ逃がすのかを事前に検討しましょう。
ロの字型はデザイン性の高さだけで判断するのではなく、メンテナンスまで含めて成立する形にすることが大切です。
屋根つき・半屋外の中庭
中庭の一部に屋根を設けたり、深い軒を出したりすることで、雨の吹き込みを抑える方法もあります。
雨の日でも中庭を使いやすくなるメリットがあるほか、窓への直接的な雨の当たり方を抑えられるメリットがあります。
ただし、屋根があるから排水が不要になるわけではありません。
屋根に降った雨は別の場所へ流れるため、屋根と中庭の両方を含めた雨水計画が必要です。
中庭の排水だけでなく敷地全体の水の流れを考える

中庭住宅の大雨対策で忘れてはいけないのが、敷地全体の水の流れです。
家の中庭だけをきちんと排水しても、敷地の外から雨水が流れ込んでくれば、住宅への浸水リスクは高くなります。
敷地の高低差を確認する
土地には必ず高低差があるため、設計時には慎重に確認することが大切です。
道路と敷地、隣地と敷地、建物と庭など、それぞれの高さを確認し、雨水がどちらへ流れる土地なのかを把握します。
雨水が自然と道路へ流れる勾配をつけておくことで、中庭にたまりにくくなります。
道路から雨水が流れ込まないようにする
大雨の際には、道路側から大量の雨水が流れてくるケースもあります。
敷地内の排水だけを考えていても、外から水が入ってくれば対応しきれないこともあるため、建築前に地盤面の高さを調整することが大切です。
周辺の浸水リスクも確認する
住宅の性能だけでなく、建築する土地そのものの浸水リスクも重要です。
自治体のハザードマップなどを確認し、周辺でどのような浸水リスクが想定されているのかを把握しておくことをおすすめします。
同じ市内だからといってすべての土地条件が同じとは限らないため、建築場所の情報をしっかりと確認しましょう。
ハザードマップは各自治体のホームページ上から閲覧できます。
南相馬市の工務店が設計した「中庭のある家」の実例

こちらは南相馬市の工務店「アイリスホーム」が施工した、中庭のある平屋の家です。

玄関脇に木製ルーバーを設け、中庭を目隠ししています。

目隠しのルーバーは下部にすき間があるため、中庭の雨水を効率よく排出できます。
中庭のコンクリートには、ルーバーの方へ水が流れるように緩やかな勾配をつけています。

洗濯物干し場の上には屋根がかかるように設計しました。
急な雨にも対応しやすい実用的なスペースです。
中庭のある家を建てる前に確認したいチェックリスト

中庭のある家を計画するときは、デザインや間取りだけでなく、次の項目を確認しておきましょう。
- 排水計画:中庭に降った雨や屋根からの雨水を、どこへ流すのか。
- 防水仕様:中庭の床や建物との取り合い部分に、適切な防水が施されているか。
- サッシ:大きな窓を採用する場合、雨水の吹き込みやサッシ周辺からの浸水に配慮されているか。
- 雨樋:屋根からの雨水が中庭へ集中しないか。雨樋からどこへ排水するのか。
- オーバーフロー対策:排水口が詰まったり、想定以上の雨が降ったりした場合に、水を逃がす仕組みがあるか。
- 敷地の水はけ:敷地内の雨水がどの方向へ流れるのか。建物周辺に水が集まらないか。
- 大雨・台風時の雨水の流れ:普段の雨だけでなく、短時間の大雨や強風時まで想定されているか。
中庭のある家は、完成したときの美しさや使い勝手だけでなく、雨の日にどうなるかまで考えて計画することが大切です。
まとめ|中庭のある家は排水・防水まで考えて計画することが大切
中庭のある家は、大雨に弱い住宅というわけではありません。
「どこから雨水が来て、どこへ流れるのか」を設計段階で明確にしておくことで、大雨や台風のときにも安心して暮らせる住まいにつながります。
排水・防水対策まで考慮した中庭のある家を提案してくれる、実績豊富な住宅会社に相談することが大切です。
私たち「アイリスホーム」は、南相馬市に地域密着で家づくりをする工務店です。
地域の特徴や環境を熟知したうえで、建築家とともにお客様の理想の暮らしに合った住まいをご提案いたします。
中庭のある平屋の施工実績も豊富ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
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