リビングなどの空間を明るく開放的な印象にしてくれる「吹き抜け」。
大型ビルやホテル、マンションのエントランスなどでも吹き抜けとなっている場合があり、
下から見上げたり、上階から見下ろしたりするのも気分が良いですよね。
「吹き抜け」は開放的でデザイン性のある空間を演出してくれます!
今回はそんな吹き抜けに関するメリット・デメリットをご紹介します!
【そもそも吹き抜けとは?】
「建物の2階または数階にわたって天井がなく、上下がつながっている空間」のことであり、
下の階から見上げると、天井が高く開放的なことが特徴です。
住まいでは主に、「リビング」や「玄関」、「階段スペース」に設けられることが多いです。
床面積が狭い場合でも吹き抜けの取り入れ方次第ではデザイン性の高い住宅になることも特徴です!
では、実際に採用した場合にはどんなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。
【吹き抜けのメリット】
①開放感があり空間が広く感じられる
・天井の高さが圧迫感を無くしてくれるので同じ坪数の家でも広く、開放的な空間に感じる
・広い面積をリビングに確保できない場合でも、のびのびと過ごせる空間を演出できる
②光を取り入れ、明るい空間にできる
・2階部分の高い窓からの採光(室内に光を導き入れて明るくすること)は部屋の奥まで届き、部屋全体が明るくなる
・日当たりの良い空間で生活できるので、健康的な生活が期待出来る
・隣地との間が狭く充分な採光が取れない場合などにもオススメ!
③家族の気配を身近に感じられる
・1階と2階がつながっているためコミュニケーションが取りやすく、常に家族の気配を感じられる
・2階にいながらリビングにいる家族と会話することもできるので、家族間のコミュニケーションが取りやすくなる
④風通しがよく換気がしやすい
・1階と2階に窓を設置すれば低い窓から高い窓へ空気が流れ、自然換気が可能に!
⑤おしゃれな空間になる
・おしゃれな照明やオーナメントを天井から吊るしてみたり、大きなカーテンを取り付けたりするだけでおしゃれな空間に
・リビングに吹き抜けを作る場合、近年人気の高い「リビング階段」とも相性が良くオススメ!
【吹き抜けのデメリットと対策案】
①光熱費が高くなる
・空間が広くなる分、光熱費は高くなるうえに冬場は暖かい空気は上へ逃げて寒くなり、
夏場は外からの光が多い分熱くなるので光熱費が掛かる
①の対策案
→気密性・断熱性の高い建物を選ぶ
→シーリングファンやサーキュレーターやシェード、高性能なエアコン、床暖房などを活用することで部屋の空気を循環させる
②メンテナンスが大変になる
・高所の窓やシーリングファンの掃除
・照明の電球交換
②の対策案
→高所用の掃除用具や脚立を用意する
→建築会社(事前に確認要)や専門業者に依頼する
→電動昇降タイプの照明器具を選ぶ
③音やにおいが伝わりやすい
・吹き抜けがあることで上階と下階がつながって大きな空間になるため、音や臭いもダイレクトに伝わりやすくなる
③の対策案
→プライベートを確保したい部屋は防音対策したり吹き抜けから離す
→キッチンを独立型やセミオープンタイプに!
→高性能な換気扇に
④耐震性が下がる可能性がある
・柱が少なくなったり、窓を大きくすることで壁が少なくなると耐震強度が下がる場合がある
④の対策案
→耐震設計をしっかりする
→外壁や間仕切りに耐力壁(筋交いや構造用合板)を設ける
→柱や梁を見せる設計にする
⑤2階のスペースが狭くなる
・吹き抜けを作る為に上階の床をなくす必要があり、部屋として使えるスペースが少なくなる
⑤の対策案
→吹き抜け + リビング階段にし、階段途中にスキップフロアを作ることで空間を有効活用できる
(スキップフロアとは:同じ空間の中に数段の段差をつけたりすることで中2階や中3階を設けるつくりのことをいいます。奥行きのある空間が生まれ、スペースを有効活用できるメリットがあります。)
※これらのデメリット対策については、設計士の方に優先順位をお伝えし、じっくり相談してみて下さい。
【おわりに】
対策しきれないデメリットもありますが、これらを踏まえて
「光を取り込みたい」、「開放感のあるおしゃれな家にしたい」、「家族を身近に感じたい」といったご家庭は採用し、
「プライバシー重視や床面積を広くしたい」、「メンテナンス費用を抑えたい」といったご家庭は採用しないなど、
何に重点を置くかでご検討されてみてはいかがでしょうか。
また、家を建てるうえで土地の広さや方角、周辺環境なども把握することが重要です。
吹き抜けを作ることで家の明るさや開放感を出すことができる反面、デメリットも存在しますのでどんな家にしたいかをご家族で話し合うことが大切です。
家づくりにおいて判断に迷ってしまうこと・わからないことがあれば、お気軽にご相談ください!
ここまでお読みいただきありがとうございました!