インナーガレージをつくろうか検討されている方で、どんなメリットがあって、デメリットがあるのかを知りたいですよね。
今回はインナーガレージのメリット・デメリットについてご紹介していきます。
またメリットとデメリットに加えて、費用相場やつくる際の注意点もご紹介しますね。
ぜひ参考にしてみてください。
□インナーガレージのメリットとは?
まずは、4つのメリットからご紹介します。
車を守れる
屋根のみのカーポートや青空駐車場と異なり、インナーガレージであれば駐車スペースが壁に囲まれます。
壁があることで、横殴りの強い雨風や台風などからも車を守れます。
雨や風以外にも、いたずらや盗難から愛車を守ることも可能です。
防犯面でも安心感があることが大きなメリットです。
シャッターや鍵のないカーポートと比べても、セキュリティ面で安心です。
乗り降りや荷物の出し入れが楽
建物の中にガレージが組み込まれているため、住居スペースと車の距離が物質的に近いです。
駐車場と住居の距離が離れてしまっている場合、天候が悪く雨の日などは特に、車までの移動が大変です。
インナーガレージの場合は、住居とつながっているので雨の日も傘をさすことなく、濡れる心配もありません。
特に小さいお子さんがいらっしゃる家庭だと、車までの距離が近いことは大幅に大変さを軽減できます。
また、共働きで週末にたくさん買い物するようなご家庭でも、車からすぐに家に運べることは負担を少なくできることにもなるでしょう。
たくさん買い物をした日でも安心です。
容積率の緩和措置の対象となる
土地に建てられる建物の延床面積は容積率によって制限が設けられています。
インナーガレージの場合は、屋根のない駐車場と異なり、延床面積に含まれます。
しかし、延床面積を考えるときに、割り引いて換算する緩和措置の対象となるため、延床面積の5分の1を限度として容積率の計算からは除外されます。
つまり、同じ容積率の敷地に建物を建てる場合だと、インナーガレージが設置されている家の方が延床面積の上限が広くなるのです。
できるだけ家の面積を大きくしたい人にとっては、大切なポイントです。
多様な使い方がある
インナーガレージは駐車場の役割だけではありません。
もちろん車やバイクが好きな人からしたら、車を家の中から眺められたり、メンテナンスでたくさん触れたりすることも魅力でしょう。
それに加えて、インナーガレージは趣味部屋としても活用できるでしょう。
例えば、自転車を飾ることもできますし、何かのコレクションをしても良いです。
または作業をする場所や本を読む場所としても活用できます。
居住空間の延長のような場所となるので、ご自身の好きなことに没頭できます。
□インナーガレージのデメリットとは?
上記ではインナーガレージのメリットについてご紹介しました。
魅力に溢れるインナーガレージですが、一方でデメリットもあることを認識しておきましょう。
ここでは、3つのデメリットをご紹介します。
騒音や換気に関すること
やはりインナーガレージは居住空間と車が近いので、騒音が気になる場合もあります。
住居と同じ建物の中でエンジンをかけるため、音ばかりでなく、排気ガスも気になるところです。
中には、シャッターの音が気になるといった声もあります。
シャッターに関しては、上部で巻き取るタイプのものではなく、巻かずに天井に沿って扉を収納するタイプのものを選ばれると良いでしょう。
そうすることでシャッターの音は気にならなくなります。
エンジンに関しては、部屋の配置を考える必要があります。
どうしてもエンジン音が聞こえてしまうこともあるので、少なくとも夜の就寝時や朝の時間帯は聞こえないように寝室を駐車場から離した位置に配置すると良いです。
排気ガスに関しては、居住スペースに排気ガスが入ってこないように換気扇を必ずつけることを押さえておいてください。
間取りや強度に工夫が必要
インナーガレージをつくると建物の1階部分がほとんどガレージの空間になります。
つまり、玄関や階段の位置などの自由度は下がってしまうでしょう。
また、ガレージをつくる分居住スペースも削られてしまうことになります。
加えて、1階に開口部を広くとる必要がありますので、建物の強度を高める対策が大切になるでしょう。
対策としては、梁を太くすることや強度の高い建材を使用することなどが考えられます。
費用がかかる
インナーガレージをつくると、建設に関する費用がかかってしまいます。
費用に関しては次の章で詳しくご説明します。
□インナーガレージをつくる際の費用相場とは?
続いては、インナーガレージをつくる際の費用相場についてご紹介しますね。
インナーガレージ単体の費用相場としては、坪単価50万円から80万円が一般的と言われています。
駐車したい台数によって費用が大きく変わってきます。
収容台数が1台の場合は、必要な坪数としては4坪から5坪ほどでしょう。
その場合は、約200万円から400万円ほどが相場になります。
収納台数が2台の場合は、10坪ほど確保してください。
その場合は、500万円から800万円程度の費用が必要です。
3台収納台数として確保する場合は、20坪ほどになります。
この場合は、750万円から1200万円ほど費用がかかります。
4台の収容台数であれば、30坪必要で、1000万円から1600万円が費用としてかかるでしょう。
上記は費用相場としても目安なので、前後するものと思ってください。
また、坪数だけでは判断できず、デザインや使用する建材によっても異なってきます。
そのうえ、上記でご紹介した費用相場は普通乗用車の場合のものです。
収容する予定の車が軽自動車か大型自動車かどうかでも異なってくるでしょう。
また、車椅子の使用がある場合もそれに応じて設計を変える必要があります。
つまり、車のサイズや利用用途に応じて、インナーガレージに必要な坪数や高さは変動するのです。
具体的な費用を知りたい場合は、愛車の大きさや台数、また実際に利用するシーンをしっかりと把握して、見積もりを依頼することが大切です。
参考にしてみてくださいね。
□間取りの実例をご紹介
次に、インナーガレージを設置する間取りの実例をご紹介します。
例1)30坪前後の家の間取り
1階にガレージをつくり、同じフロアに部屋が2つとトイレがあります。
そして2階にリビングや和室、洗面所や浴室を持ってきた例です。
この間取りのポイントは、2階にリビングを設けている点です。
インナーガレージをつくると、道路に面した開口部が遮られてしまうので、1階の日当たりや風通しが悪くなってしまうことがあります。
この間取りでは、日当たりの悪い1階部分に寝室を配置して、2階にリビングを設けています。
リビングを2階にすることで、日当たりと風通しを確保しやすくなるでしょう。
また、浴室や洗濯機も2階にあることがポイントです。
洗濯物を干す時もベランダまでの移動が楽で、家事動線の効率が良いです。
1階のインナーガレージの部分は、玄関とつなぐ出入り口があり便利です。
外へ回り込まずにガレージまで行き来ができるので、荷物が多い時や子どもの乗せ降ろしがある時にもスムーズに家の出入りができます。
例2)35坪の家でインナーガレージと寝室が4つある3階建ての間取り
1階はガレージと浴室やトイレ、洗面所の水回り、そして1部屋あります。
2階にリビングと和室があり、3階はそれぞれの部屋といった配置です。
この家のポイントは、3階建てにすることで、狭い間口でも4LDKを実現できている点です。
この間取りは、道路に面している開口部が4メートル以下、ワンフロアの床面積は13坪ほどと狭い間取りになっています。
しかし、インナーガレージをつくって3階建ての縦長の家にすることで、駐車スペースと個室が4つもある家を実現できました。
階段や水回りなどを家の中心に配置したことで、それぞれの部屋からのアクセスも良く、独立性を確保することもできました。
1階の部屋を親世帯のスペースとすれば、2世帯でも暮らせるでしょう。
□インナーガレージをつくる際の注意点とは
最後にインナーガレージを設置する際の注意点をご紹介します。
法規制
上記でも少し触れましたが、容積率というものを考慮する必要があります。
車庫の床面積が容積率に算入されないためには、延床面積を5分の1に収める必要があるでしょう。
広さ
まずは、ご自身が所有している車の大きさを把握する必要があります。
把握したうえで、ドアの開け閉めや乗り降りをどのように行うか想定する必要があります。
またトランクからの荷物を出し入れすることも考慮して、奥行きや横幅、高さを計画してください。
動線
ガレージもリビングなどの各部屋と同じく家の一部です。
どのように使用するかでその配置や他の部屋との動線なども変わってきます。
特に、ガレージから家の中へ出入りするのが玄関なのか、専用のドアなのかによっても異なるでしょう。
床の材質
車を駐車する場所ですので、それに見合った強度のものが必要になります。
水対策
ガレージ内でメンテナンスや掃除のために水を使用する予定であれば、蛇口を設置したり水勾配や排水設備を設置したりする必要があります。
□まとめ
この記事では、インナーガレージについてのメリットやデメリット、またその費用やつくる際の注意点などについて詳しく解説しました。
メリットの多い設備ではありますが、あまり計画を立てずにつくってしまうと、使い勝手が悪かったり騒音だったりで後悔するかもしれません。
後悔しないように、この記事の情報を参考にしてみてください。
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注文住宅をお考えの方は、お気軽にご相談くださいね。