生活する上で「廊下」は必要な間取りなのでしょうか。
廊下がない方が、他の空間が広くできていいと考える方も多いですよね。
そこで今回は、廊下なしの間取りのメリット・デメリット、廊下がない家で後悔しないためのポイントをご紹介します。
暮らしやすさを重視した廊下のない平屋の実例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
「廊下なしの間取り」6つのメリット
廊下なしの間取りを採用するメリットをご紹介します。
①動線を短くできて効率的に暮らせる
廊下をなくして空間同士を直接つなぐことで、動線を短くすることができます。
例えば、玄関から直接洗面所に行ける間取りなら、帰宅後すぐに手を洗うことができて効率的です。
ランドリールームとクローゼットが隣り合わせなら、洗濯物をスムーズにしまえます。
このように、行き来することが多いスペースの間に廊下をつくらないことで、効率の良い動線を確保することが可能です。
②コンパクトな住まいをつくりやすい
無駄な廊下をなくした間取りは、コンパクトな住まいをつくれる点もメリットです。
長い廊下がある間取りと、無駄な廊下がない家では数坪の面積の差が生まれます。
廊下がなければ、建築コストを削減できますし、狭小地でも広々とした居室スペースを確保することも可能です。
コンパクトな家を建てたいなら、不要な廊下はなくすことを意識して間取りを考えてみましょう。
③開放的な間取りをつくりやすい
廊下をなくして空間同士をつなげることで、開放的な間取りをつくりやすくなります。
例えば、玄関ホールからLDKへの廊下や仕切りをなくして直接つなげば、家の中に入ったときの圧迫感をなくすことが可能です。
来客時の目線対策として、間仕切り用の扉を付けておけばプライバシーを保つこともできます。
開放感のある家にしたいという要望があるなら、廊下で仕切らない間取りを検討してみてくださいね。
④家族間のコミュニケーションがスムーズ
廊下のない間取りは各スペースの距離が近づくため、家族間のコミュニケーションがスムーズです。
例えば、LDKと子ども部屋の間に廊下がなければ、キッチンで料理しながらお子さまへ声掛けができます。
お子さまの様子が分かりやすく、自然と会話が生まれる間取りをつくりたい方にも、廊下のない家がおすすめです。
⑤空間同士の温度差を減らせる
廊下がなく各空間が直接つながる間取りなら、部屋同士の温度差を減らすことが可能です。
例えば、LDKを中心に水回りや各部屋がつながった間取りなら、扉を開けておくことでLDK以外の部屋も冷暖房できます。
LDKのエアコン1台で水回りや居室も快適になれば、最小限の冷暖房器具で空調をまかなえてお得です。
シーリングファンやサーキュレーターなどを上手に活用しながら、効率的に冷暖房しましょう。
⑥光や風の通りが良くなる
廊下で仕切らない間取りは、光や風の通りが良くなる点も魅力的です。
窓のない廊下がある家では、真っ暗で風通しの悪い空間ができてしまいます。
また、LDKの窓を開けていても、廊下を挟むと隣り合わせの部屋には風が抜けにくいケースも。
廊下のない間取りなら、隣室のドアを開けておけば光や風が通り抜けるため、心地よい空間づくりができるでしょう。
「廊下なしの間取り」4つのデメリット
廊下無しの間取りを採用するデメリットをご紹介します。
①プライバシーが保たれにくい
廊下なしの間取りは、部屋同士が隣り合わせになるためプライバシーが保たれにくい点がデメリットです。
家族間で生活リズムが異なるとゆっくり休めなかったり、隣室の家族が気になって趣味に集中できないなどのケースがあります。
ただし、廊下がなくても間取りの工夫次第では、プライバシーを確保することは可能です。
間取りづくりのポイントは後ほどご紹介します。
②音やニオイが気になることがある
廊下をなくすことで音やニオイが気になりやすい点もデメリットです。
後悔した方の具体例をご紹介します。
- トイレとLDKが隣接していてニオイ・音が気になる
- 子ども部屋の横にキッチンがあると、子どもが寝た後は作業しにくい
- 寝室とトイレが横並びだと、家族がトイレに行く音で起きてしまう
家庭内の生活音を意識しながら、廊下なしの間取りをつくることが大切です。
音が気になりそうな空間は、遮音材・防音材を入れるなどの対策もできます。
③来客時に目線が気になる
来客時に目線が気になって、廊下なしの間取りを後悔したという方もいます。
- 来客時に寝室のドアを開け閉めすると中が丸見えになってしまう
- お子さまの友人が来たときにリビングでくつろぎにくい
廊下がない家は開放感が魅力ですが、仕切りが少なく目線が通りやすい点はデメリットと言えるでしょう。
来客が多いご家庭などは、廊下の必要性をしっかりと考えて、間取りを検討することが大切です。
④冷暖房効率が悪くなるケースも
廊下がなくワンルームのような広い間取りは、空調する範囲が広くなって冷暖房効率が悪くなるケースもあります。
空間を仕切る廊下があれば、冷暖房する面積が狭まるため、小さな容量のエアコンでも間に合ったという意見も。
廊下はつくらなくても空間同士は仕切れるようにするなど、冷暖房効率を高めるための対策を行いましょう。
廊下なしの間取りで後悔しないためのポイント
廊下なしの間取りで後悔しないためのポイントをご紹介します。
①廊下の必要性を考える
無駄な廊下は削減すべきですが、暮らしの快適性を高めるためには廊下があった方がいいケースもあります。
闇雲に廊下をなくすのではなく、実際の生活をイメージしながら必要性を検討しましょう。
図面上では確認できない目線・音・ニオイまで思考を巡らせながら、廊下のあり・なしを決めることがポイントです。
②空間の配置を工夫してプライバシー対策をする
空間の配置を工夫することで、プライバシー対策をすることが可能です。
具体例をご紹介します。
- リビングのソファに座ると見えない位置に寝室や水回りを配置する
- LDKをL字型にして死角となる位置に寝室や水回りをつくる
- 洗面脱衣所の中にトイレをつくることでLDKとの距離を離す
様々な配置の工夫を取り入れ、音やニオイが気になりにくくプライバシーが保たれた、廊下なしの間取りをつくりましょう。
③格子やロールスクリーンで空間を緩やかに仕切る
廊下で空間を仕切らなくても、格子やロールスクリーンを施工することで緩やかに目線を遮ることができます。
格子は光や風を通すため、廊下のように暗くてどんよりとした空間になりません。
デザイン性も高いため、空間をおしゃれに遮ることができます。
また、ロールスクリーンは必要なタイミングで開け閉めが可能なので利便性が高いです。
目線が気になるときや、夏場・冬場に冷暖房効率を高めたいときにロールスクリーンを閉めるなど、ケースバイケースでに調整できます。
格子やロールスクリーンを上手に取り入れて、廊下がない家の暮らしやすさを高めてくださいね。
⑤廊下+αのスペースをつくるという選択も
廊下をつくるなら「+αのスペース」を取り入れた間取りがおすすめです。
具体的には次のような方法があります。
- 廊下に造作洗面台をつくる
- 収納スペース兼廊下にする
- 壁に絵や写真を飾って廊下をギャラリースペースにする
ただ廊下として使うのではなく、他の用途をプラスすることで、空間を有効活用できます。
廊下だけの用途にするなら、極力面積を小さくできるようにレイアウトを工夫してみてくださいね。
廊下のない平屋の実例紹介
廊下のない平屋の実例をご紹介します。
玄関ホールとLDK間は廊下をつくらず、最短距離でつながる開放的な空間です。
天井の高さと同じハイドアを採用しているため、ドアを開けておけば玄関とLDKが一体の空間のように感じられます。
LDKを中心として、水回りや各居室、中庭に廊下なしでつながる間取りを採用しました。
扉の色やデザインを全て統一させているため、LDK内に扉がたくさんあってもデザイン性を損ないません。
画像の左側にあるドアからは、水回りとウォークインクローゼットにつながります。
家事や朝の身支度を効率的に行えますし、扉を開けておけばリビングのエアコンが効くため、寒さ・暑さも気になりません。
LDK・洗面所・トイレが廊下なしでつながる間取りです。
トイレは、LDKと洗面所の二重の扉で仕切ることができるため、音・目線・ニオイ対策が可能です。
無駄な廊下をなくして空間同士を最短距離でつなぎつつ、プライバシーへの配慮もしっかりと行ったこだわりの平屋です。
おわりに
廊下なしの間取りは、家族間のコミュニケーションが取りやすくなり、効率的な暮らしを送ることができます。
また、廊下を削減できればコンパクトな住まいになるため、コストカットや狭小地への平屋建築も可能です。
音・目線などプライバシー面への配慮や冷暖房効率を考え、無駄な廊下がない住まいを建ててくださいね。
アイリスホームでは、お客様の暮らしに寄り添った家づくりをしています。
暮らしやすさにこだわった「廊下なしの間取り」を採用したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。