工務店スタッフブログ

設計士が個人的に思う漆喰という素材について

今年も終わりますね

皆さんこんにちは。師走の気配を思い切り感じるようになってきました。年末に近づくにつれて今年のうちにやっておかなきゃと焦りが出る時期でもあります。あと数日すればクリスマスですし、クリスマスが過ぎれば年越しの準備。この時期は車の事故などが多いので、皆さんどうかお気を付け下さい。どうしても気持ちが早ってしまう時期ですので。

伝統的な素材

今日は漆喰という、昔から日本の建物に使われてきた材料の話をしていきます。漆喰はカルシウムを主成分とする材料で、もともとは石灰と評されていたものです。日本では土の上に塗りやすくするため糊や麻すきなどと混合されて使用されてきましたのでなめらかな、目の細かい質感で使用されてきました。欧州では石造りの下地に塗るためかためのざらついた質感が主流です。

元は雨風に弱い土壁を保護し、また不燃であることから木や土で作られた建物の室内外に使われてきました。日本の漆喰は主に本漆喰、土佐漆喰、既調合漆喰、琉球漆喰、その他漆喰関連商品に分類されます。シンプルにそれぞれを表すと

・本漆喰 昔から漆喰とされていたもの。糊と麻すきと塩焼き消石灰を混合してつくる
・土佐漆喰 3ヶ月以上発酵させた藁と塩焼き漆喰と水の混合。藁の成分で色がつく
・既調合漆喰 漆喰メーカーが商品として製造したもの。色付きのものもある
・琉球漆喰 土佐漆喰と似ているが藁の量が多く色が強めに出る。
・その他漆喰関連商品 現状区別する規定がないので漆喰風の塗料などが該当

調べると分かること

とここまでは漆喰に興味が出てきてsmartphoneで少し調べますと出てくるようなお話です。「漆喰」とか「漆喰 機能」とかで検索すると色々なブログやページがヒットします。調べていくと本漆喰に該当するものは調湿性がそれほどないとか、漆喰風塗り壁だと調湿機能がありますよーなど、一般の方が漆喰にイメージしているものとは別な形のものがあり、勉強になります。

シックハウスやカビ、化学物質過敏症によって塗り壁を採用することが前提の方の体験談や検討の記録はプロフェッショナルの側にいるものとして非常に深い部分です。それぞれの仕上げ材料についてポピュラーなクロスを基準として比較している内容のものもありますので、気になる方はそちらを覗いて見るのも良いでしょう。

質感ある素材

では僕なりに何を書くかというと、そういった機能性ではなく僕の漆喰に対する仕上げ材としてのイメージを書きたいと思います。建物の歴史の中で内外壁に不燃を目的に使用されてきたわけですが、長年使用されてきた一番の理由は僕はその質感にあると思っています。あの独特のなめらかな質感。壁一面ごとに職人の手仕事の余韻のようなものがあり、落ち着くオフホワイトやアイボリー系。職人の技術の反映が大きいので、ものすごく手仕事感が出ます。それは、味わいです。

純粋に漆喰という仕上げ材自体にある魅力が、長年使い続けられてきた一番の理由ではないでしょうか?漆喰のような塗り壁を湿式、壁紙(クロス)を張った壁を乾式といいます。例えば、今クロスが住宅の主流なのは乾式の壁の方が施工が安易でまた工事にかかる時間が湿式に比べ短いからです。つまり漆喰という味わい深い壁は、料理で言うところの一手間なのです。

今はクロスにも漆喰風があったりしますので、ただ感じが欲しい方は安価でできる部分もありますが質感として求めていくのであれば、漆喰材を何にするかはおいてまずは塗り壁を検討することを強くおすすめします。ただ検討を始めると、やはりメリット・デメリットが目に入りますよね。特に気になるのは塗り壁をやることによってかかるコストと、住んでからのメンテナンス、でしょうか。コストに関しては室内であればクロスと比べると高いです。

ですが、ワンポイントとしてリビングだけをやるとか、お部屋ごとにやるのを決めればそれほどコストを圧迫せずに済みます。外壁に漆喰をやる場合は主流の窯業系サイディングとの機能性(そこだけは機能性を基本的に追いましょう)で決めるべき。当社でもそうですが、見積を取って差額を検討することを忘れずに行いましょう。

ウィークポイントというかメンテナンスの話ですが、一番多いのは細かなヒビ(クラックと言います。)だと思います。どうしても気になる場合は上塗りによる補修も可能ではありますが、ヒビも含めて味わいが深くなっていく、、、一緒に歳を取っていくんだと思う。漆喰はそういう素材だと僕は思います。表面的なヒビはあくまで仕上げ材のヒビなので構造に影響が出ているわけではないこともチェック。

外壁の漆喰施工風景の動画です。コテの音が聞いてて心地よいですね。
https://vimeo.com/307932631

最近ではDIYでの塗り壁をやる方もいて、そのやり方をページにしている方もいます。家族の思い出作りで、一面だけ家族で塗って、手形を別に作ったりして額にして飾るのも、月並みですけどいいと思うんですよね。

終わりに

漆喰に思うことを少しだけ書いてみました。昔ながらのいい素材です。今は色んな種類がありますし流通しているので地域ごとにしかできなかったこともできます。左官屋さんの腕の見せどころであり、手仕事が強くでる、あなたに染み込んでいく壁です。日常の中で、静かにあなたを包んでくれる家をどう創っていくか。

漆喰メーカーさんでも色々なものを改良しながらより良いものにしようとしています。下記リンクは今回当社のモデルハウスの壁に使った漆喰材です。ご興味のある方はご参照ください。

White wall 「塩焼漆喰」
http://www.white-wall.jp/shio/index.html#page7c

こういうことを知ったり調べたり悩んだり。ちょこっと大変かもしれませんが、家創りの醍醐味でもあります。楽しみをもって家創りをしましょう。

石崎 幸崇

設計士 石崎 幸崇

打合せではお客様の気になることや質問に多彩な知識で応えてくれます。。 多彩な趣味を持っていて分からないことがないのでは?と思えてくるほどです。どちらかというと知的な女性を好む(K談)、マイペースで自分をもっている(T談)

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