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気密性の高い家はメリットばかりではない?デメリットと対策を解説

気密性を高めることは大切だがデメリットを対策する必要がある

「性能の良い住宅=高気密・高断熱な家」という認識を持っている方も多いでしょう。

実際にこの考えは間違いではありません。

 

高気密とは家の隙間が少ないことを指し、高断熱は熱を逃がさないことを意味します。

高気密・高断熱の住宅なら外気の影響を受けにくく、家の中で快適に過ごしやすいです。

 

しかし、気密性の高い家はデメリットもあります。

デメリットを知らずに高い気密性ばかりにこだわっていると、住み心地の悪い家になるかもしれません。

今回は、気密性の高い家にスポットを当て、メリット・デメリットと対策を紹介します。

 

気密性の高い家のメリット

気密性の高い家のメリットを紹介します。

 

エアコンなどの冷暖房器具が効きやすいため室内が快適

気密性の高い家は隙間が少ないため、室内の空気が外に逃げづらいです。

部屋の中をすぐに冷やしたり温めたりでき、1年中快適な室温で過ごすことができます。

 

家の中が寒いとこたつの中でじっと縮こまってしまうという方も多いですよね。

快適な温度の家なら行動量も増えるため、健康的にも良い暮らしが送れます。

 

ヒートショックの危険性を防げる

建物の気密性を高めると、ヒートショックの危険性を下げることにもつながります。

ヒートショックとは温度の急激な変化により、血圧が大きく変動することです。

血圧が大きく変動すると全身の血流が悪くなり、脳梗塞や心筋梗塞を起こすリスクがあります。

 

家の中でヒートショックが起こりやすい、典型的な行動パターンを紹介します。

①暖かいリビングで過ごす
②お風呂に入るために寒い廊下を通る
③寒い脱衣所で洋服を脱ぎ身体がさらに冷える
④お風呂で熱いお湯が張られた湯舟に浸かる

 

寒い部屋から暖かい湯舟に浸かることで、血圧が一気に上昇しヒートショックを起こす事例はかなり多いです。

また、室内の快適性が低いと夏場に熱中症になる可能性もあります。

高気密な家を建てて建物全体を暖めたり冷やしたりして、ヒートショックや熱中症の危険性を下げましょう。

 

冷暖房効率が良いため節電につながる

気密性の高い家は、少し冷暖房をするだけでもすぐに室内が快適な環境になります。

冷暖房効率が高まるため節電につながり、光熱費を抑えることが可能です。

高気密な家は、身体だけでなくお財布にも優しい点も大きなメリットでしょう。

 

防音性が高まる

気密性の高い家は隙間が少ないので、熱だけでなく音も外に逃げにくくなります。

そのため、防音性の優れた家を建てることができます。

家の中で子供が大きな声を出しても、周りの家に迷惑がかからないのは魅力的ですよね。

また、車の音なども室内に届きにくいため、交通量の多い道の近くに家を建てるときにもメリットを感じるでしょう。

 

断熱性能を高めてくれる

建物の気密性を高めると、断熱性能も相乗効果で高まります。

なぜなら、隙間が少ない家なら熱の逃げ場がないため、断熱材が適切な性能を発揮できるからです。

逆に、どんなに性能の高い断熱材を使って熱が逃げるのを防いでも、隙間があるとそこから熱が逃げてしまいます。

快適な家にしたいなら、気密性と断熱性のバランスを考えることが大切です。

 

気密性の高い家のデリット

気密性の高い家のデメリットを紹介します。

 

熱や湿気がこもりやすい

隙間が少ない気密性の高い家は、空気の出入りをする場所が限られるため室内の熱や湿気がこもりやすいです。

夏場に冷房機器を付けないと、どんどん室内の温度が上昇してしまいます。

屋根断熱の場合は、屋根裏の空間に熱を溜め込んでしまい、室内を冷房してもなかなか冷えません。

湿気がこもると結露によるカビの発生につながることもあります。

換気や通気をしっかりと行い、熱や湿気を計画的に逃がすことが大切です。

 

室内の空気が汚れやすい

建物が気密性に優れていると、家の中の空気が滞りやすいです。

ずっと室内に同じ空気が溜まっていると、空気の質が悪くなります。

 

また、気密性が低い家と比べてシックハウス症候群が起こる危険性も高まります。

シックハウス症候群とは、建築に使われる塗料や接着剤が持つ化学物質が原因で起こる、頭痛やめまいなどの症状のことです。

気密性が高い家を建てるなら、化学物質が少ない材料を使ったり、換気計画をしっかりと行うなどの対策をすることをおすすめします。

 

石油ストーブが使えない

気密性が高い家では、石油ストーブの使用は推奨していません。

なぜなら、気密性が高い家は自然な空気の出入りが少ないため、一酸化炭素中毒になる危険性があるからです。

気密性が低い家なら、石油ストーブから発生する一酸化炭素を自然と外に逃がしてくれるため問題ありません。

 

また、石油ストーブを使うと室内の酸素が減り、二酸化炭素と水蒸気が発生します。

水蒸気が発生すると結露しやすくなる点もデメリットです。

窓などの表面が結露した場合はこまめに拭き取れば良いですが、壁内が結露してしまうと構造材のカビや腐食につながってしまいます。

高気密な家を建てるなら石油ストーブではなくエアコンを使うことがおすすめです。

 

室内が乾燥しやすい

高気密な家は、乾燥しやすいという特徴があります。

なぜなら、外気を取り込みにくくなるため、屋外の湿気が家の中に入りにくくなるからです。

冬場は湿気が低いのに加えてエアコンを使うため、特に乾燥していると感じやすくなるでしょう。

洗濯物が乾きやすくなる点はメリットですが、高気密な家を建てるなら冬場の加湿は必須です。

 

建築コストが上がることがある

高気密な家を建てるたると建築コストが上がるケースが多いです。

例えば、気密性を高めるために気密テープを使って隙間を埋めたり、気密コンセントを採用したりします。

これらが標準仕様の住宅会社もあれば、すべてオプション扱いの会社もあるでしょう。

 

さらに、気密性を高めるために隙間なく施工できる断熱材に変更するケースもあります。

断熱材の変更は大きな費用アップにつながることも多いので、事前に金額を確認しておくことがおすすめです。

 

高気密な家を建てる際の対策は「断熱性と換気」を強化すること

高気密な家を建てる際の対策は「断熱性と換気」を強化することが挙げられます。

 

対策① 断熱材を強化する

気密性を高めた家を建てるなら、断熱性を強化も必ず行いましょう。

なぜなら、快適な家を建てるには断熱性・気密性はどちらも欠けてはいけない存在だからです。

 

気密性を高めて隙間を減らしても、壁や窓から熱が逃げてしまっては快適な空間は作れませんよね。

また、断熱性をどんなに高めても、隙間が多い家だと熱が全て逃げてしまいます。

気密・断熱どちらも優れていれば、熱が伝わりにくく逃げにくい魔法瓶のような状態の家を建てることが可能です。

 

気密性・断熱性のどちらかに特化するのではなく、どちらも優れたバランスの良い家づくりをすることが大切です。

 

対策② 換気や通気を強化する

気密性の高い家を建てるなら、換気を強化することが大切です。

現在は24時間換気が義務付けられているため、どんな家でもずっと換気は行われています。

ただし、換気計画が甘いと一定の場所に空気が滞りやすかったり、換気が不十分になるケースも少なくありません。

換気の種類や給気・配置の位置などをしっかり設計してもらいながら、滞りのない空気の流れを作ることが大切です。

 

また、高気密・高断熱の家は「窓を開けない」ことをおすすめするハウスメーカーもあります。

しかし、定期的に窓を開けて空気や湿気の入れ替えをすることはとても大切です。

窓を開けたときに風が通り抜けやすいように、窓の位置や種類を考えてください。

外からの目線が気になると窓が開けにくくなるため、プライバシーを考えた間取り作りを行いましょう。

中庭がある間取りなら、気兼ねなく窓を開けて換気ができます。

 

さらに、空気の通り道は家の中だけでなく、壁内にも作ることも必要です。

壁内に湿気が溜まってしまうと内部結露の原因につながってしまうからです。

壁内に通気層を設けて空気の通り道を作り、空気と一緒に湿気も逃がすような工法を採用している住宅会社を選びましょう。

 

【おわりに】

気密性の高い家を建てると快適性が上がり、生活の質が高まります。

1年中快適な室温で生活できたり、光熱費が抑えられたりする生活は魅力的ですよね。

 

しかし、快適さを維持させるためには、気密性だけにこだわっていてはいけません。

断熱性を高めて熱の逃げ場を減らしたり、計画的に換気を行って空気や湿気を逃がすことも大切です。

気密性の高い家のデメリットや対策をしっかり理解して、居心地の良い住まいを作りましょう。

 

アイリスホームでは、デザイン性だけでなく性能にこだわった住まい提案しています。

気密性の高い家が気になる方は、ぜひお気軽にご相談くださいね。

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この記事を書いた人

佐久間 岩男

アイリスホームの代表取締役社長であり、同時に「何でもします課」を自ら公言している。実直な性格だが(見かけによらず)同乗者にあたたかい飲み物を事前に用意しているやさしさを併せもっている。南相馬で生まれ南相馬で社長になった南相馬純血。実は24歳から社長業に勤しんでいるので社長歴20年のキャリアをもっている。とても人情豊かな社長である。