新築を建てる方に知っていただきたいのが、リビング照明の選び方についてです。
照明は、部屋の印象を大きく左右します。
そこで今回は新築建設時の照明選びのポイントについて解説いたします。
□新築の照明選びを後回しにしてはいけない理由とは?
新築の内装プランを考えるのは、夢が広がりワクワクする時間です。
しかし、キッチンのグレード、フローリングの素材、間取りの配置などさまざまなことを決めなければいけません。
それにより、照明は後回しにして、家が完成してから量販店で買えば良いと思われている方もおられます。
電源だけ設置しておいて、後からじっくり選ぶことも1つの手ではありますが、お部屋作りは空間作りです。
間取りと一緒に照明を考えることで、とてもおしゃれな空間に仕上げられます。
せっかく新築でマイホームを建てられるのであれば、照明までこだわり抜き、ワンランク上のマイホームへグレードアップしていただくことをおすすめします。
照明を選ぶ時には、光の当たり方や色などに工夫をしましょう。
ライティングをしっかりと意識することでおしゃれにできると、費用対効果が大きいです。
また、後付けのシーリングライトでは選べないダウンライトやダクトレール照明を使えるのも、間取りを考える段階で照明プランを立てるメリットです。
また、照明プランは後から変更しにくい箇所でもあります。
照明の配線は天井や壁裏の見えない部分を通すので、基本的に完成してから変更することはできません。
もし照明プランを変えようとすると、天井や壁を一部切り開いて工事をする必要があるので、手間と費用がかかってしまいます。
事前にダウンライトやダクトレール照明など、後付けのシーリングライト以外の選択肢を選べることもメリットです。
事前に光の当たり方、色など照明までをセットで考えていただいた方がその後の費用対効果も大きくなります。
□照明の種類を押さえておきましょう
照明の計画をあらかじめ立てておくことが大切だと説明しました。
そんな照明にはどのような種類があるのでしょうか?
【1】シーリングライト
シーリングライトはその名の通り、天井に直接設置するタイプの照明です。
高い位置から照らせるので、部屋全体を均等に明るくすることができます。
ひっかけシーリングが設置してあれば、ワンタッチで取り付け、取り外しができるため、手軽さも魅力です。
また、最近はリモコン操作で調光や調色ができる商品も増えています。
そのほかにも、空気を循環させるためのファンと照明が一体化したタイプやスピーカーを内蔵したタイプなど、機能性も多様化しています。
なかには、プロジェクターを内蔵しているものもあり、照明器具でありながら、映画や音楽を楽しむことができます。
【2】ダウンライト
これは、天井に埋め込んで設置するタイプの照明です。
埋め込み型のため、天井をフラットに見せることができ、空間が広くすっきりとした印象になります。
1つ1つの明るさは控えめですが、複数のダウンライトを一緒に設置することで、メイン照明としても使えます。
また、絵画などの引き立たせたいものに照らすことで、より雰囲気のあるインテリアとして有効活用する方法もあります。
広さや目的に応じて使いやすい照明と言えます。
【3】間接照明
間接照明は、天井や壁などに光源を当てて反射させることで、間接的に空間を照らす方法です。
天井の一部を少しだけ高く設計する折り上げ天井を引き立たせるために間接照明を取り入れることが多いです。
インテリアショップなどのお店でも使われているように、天井高を強調して、伸びやかな空間を演出する効果があります。
また、スポットライトも特定の場所を集中的に照らすためによく用いられます。
壁に飾っている絵画やお気に入りのオブジェなどを照らすことで、ディスプレイを引き立てたり、アクセント壁を照らして素材の質感や凸凹を強調したりと、空間に表情を与えてくれます。
ライトの角度や向きを自由に変えられることも特徴で、特定の場所をピンポイントで照らしたい時に活躍してくれるでしょう。
【4】ペンダントライト
天井から吊り下げるタイプの照明です。
ダイニングテーブルの上部などによく使われています。
ダクトレールと一緒にセットすることで、テーブルの向きを変更した時も併せて位置を変えやすく便利です。
【5】ブラケットライト
これは壁面に設置する照明です。
室内だけでなく、玄関灯としても人気があります。
やわらかい陰影をもたらし、奥行きを感じさせることが可能です。
落ち着いた高級感のあるレストランなどにあるイメージで、大人な雰囲気のある空間をつくりたい時におすすめです。
壁に取り付けるタイプですので、置き型のスタンドライトを設置するスペースがない場合にも有効です。
【6】フットライト
これは、階段や廊下、ベッドサイドに設置して足元を照らす照明です。
夜間の安全な歩行を助けてくれます。
人感センサー付きのものを選べば、人が来れば点灯して、いなければ自動で消灯しておいてくれます。
微力ながら省エネでもあります。
後付けもできますが、コンセントが一口埋まってしまうので、新築時に設置されることをおすすめします。
□部屋別での照明の選び方
続いては、部屋の目的に合わせた照明の選び方をご紹介します。
【1】リビング
リビングでは、家族や来客がくつろいだり、テレビを見たり、作業をしたりと様々な目的で過ごす空間です。
そのため、多様な目的に対応できるように、調光や調色のできるシーリングライトが良いと思います。
よりリラックスできる空間を演出したい場合には、間接照明やブラケットライトを設置すると良いです。
【2】ダイニング
ダイニングでは、上記でご紹介したようにペンダントライトが人気です。
テーブルの大きさや高さによって必要なライトのサイズや個数が変わります。
温かみのあるオレンジ系の色の光にすると、料理を美味しく見せてくれます。
また、ダウンライトを均等にではなく、テーブル中央をメインに設置するとスポットライトのような雰囲気のある灯りになっておすすめです。
【3】寝室
寝室はくつろげる空間にするために、照明を選ぶ必要があります。
明るすぎない照明がおすすめです。
天井に照明を取り付ける場合は、横になったときに光源が直接目に入らないようにカバー付きのものを選ぶと良いです。
ダウンライトなら、ベッドの頭の位置に配置しないように気をつけましょう。
思い切って、天井に照明を取り付けないのも良いと思います。
天井灯を省いてブラケットやスタンドライトの補助照明を使いこなしてみてください。
【4】廊下
廊下は、来客を確認したり移動中の安全を確保したりするために、明るく照らしたい場所です。
人感センサー付きのものは便利なので、おすすめです。
必要に応じてフットライトなどを設置すると、足元までしっかり明るくなるので安全です。
また、入ってすぐの突き当たりは目に入りやすいので、絵や写真などを飾って、スポットライトで照らすとおしゃれな洗練された空間にできます。
□リビング照明のポイント
上記でも少し触れましたが、より詳しくリビング照明のポイントをご紹介します。
【1】LED
LEDは白熱電球と比較すると、約85パーセントも消費電力を抑えられます。
LED電球の寿命は一般的に約40000時間とされています。
ただ、徐々に明るさが落ちてくるので、ちょっと暗くなったかなと感じた時には買い替えると良いでしょう。
【2】シャンデリア
シャンデリア照明は華やかで煌びやかなアイテムです。
部屋をゴージャスな空間に演出したり、アンティーク調に演出したり、デザインによって様々な空間を演出できます。
重量のあるゴージャスなシャンデリアは天井板の厚さや材質によっては取り付けられないこともありますが、新築の場合は問題ないでしょう。
好き嫌いはありますが、シャンデリアは現実からかけ離れたリッチな空間をつくり出して、ワンランク上の幻想的な雰囲気を演出してくれます。
【3】ファンライト
空気を循環させてくれるため、エアコンの冷暖房の節約にも一役買ってくれます。
省エネにもつながるので、おすすめです。
特に吹き抜けの家であれば、ファンライトは非常に相性が良いです。
照明と空調としての機能を1つで担ってくれるので、一石二鳥です。
□照明計画の立て方を知りましょう
最後に、照明計画の立て方をご説明します。
まずは、部屋のイメージや用途を考えます。
照明は部屋の雰囲気を演出したり、おしゃれにしたりするデザイン的な効果もありますが、十分な明るさを確保できていないと、作業しづらくなってしまいます。
また、周りがよく見えないと転倒してしまうリスクもあるため、まだお子さんが小さなご家庭は危険です。
必要な明るさはそこで生活する人の年齢やライフスタイル、家族構成によって変わります。
そのため、部屋のイメージや用途と照らし合わせながら検討することが大切です。
そして、イメージや用途が決まったら、照明の種類を選びましょう。
照明の種類はご紹介したようにたくさんあります。
目的や用途に応じて、適切なものを選ぶことが大切です。
例えば、間接照明がおしゃれで好きだから、全ての部屋を間接照明で揃えてしまうと、作業するには暗すぎて困るかもしれません。
後悔してしまわないように、それぞれの照明の特徴も把握する必要があります。
把握したうえで、ご家族の意見も聞いてみてください。
生活するのはみなさんなので家族みんなが使いやすいものを選んでいただくと満足できるお家にすることができます。
最後に、照明の配置を検討しましょう。
照明の高さと位置に関しては、家を建てた後に変更することは難しいので、図面上でしっかりと確認しておくことが大切です。
□まとめ
今回は、新築の照明選びのポイントについて解説しました。
照明はたくさんの種類がありますので、空間デザインを考えるうえで選ぶことは楽しいものです。
しかし、目的や用途を考えないと「もっとこうすればよかったな」と感じてしまう原因にもなってしまいます。
ポイントを押さえながら照明計画を立ててみてください。
新築の家づくりでご不明点がございましたらお気軽にご相談ください。