ファミリークローゼットを設けることで、家事動線がスムーズになります。
家事動線がスムーズになると、家事にかかる負担や時間が削減されます。
この記事では、ファミリークローゼットのメリットと設ける上での注意点について詳しく解説します。
□ファミリークローゼットとは?
ファミリークローゼットとは、家族の衣服などをまとめて収納するクローゼットのことを指します。
通常、シューズクローゼットやランドリールームなどに併設することが多いです。
ファミリークローゼットを設けることで、家事動線や生活動線をよくできる間取りとなるでしょう。
よくあるように廊下などの壁面に設置する場合もありますが、ウォークインクローゼットやウォークスルークローゼットなどの回遊できるタイプもあります。
そんなファミリークローゼットはなぜ必要なのでしょうか。
□ファミリークローゼットのメリットとは
ファミリークローゼットを設置する家が増えてきていますが、その理由は何なのでしょう。
*家事動線が良くなり、家事が楽になる
例えば、洗濯を思い浮かべてみてください。
洗濯機が1階にあれば、まずは1階で洗います。
そしてベランダは2階にあって2階で干す家庭が多いのではないでしょうか。
このようなケースだと、洗濯をするために1階と2階を行ったり来たりする必要があります。
また最後は各部屋のクローゼットに片付けるという流れになるでしょう。
これではかなりの時間と労力がかかります。
ファミリークローゼットを導入して、主な衣類が集約されれば、衣類を片付ける場所が1箇所になり、家事効率がぐんとよくなります。
ランドリールームに併設することで、洗濯物を洗ってから片付けるまでの動線が短くできます。
洗濯機のある場所とベランダを同じ階にすることでもより効果を得られるでしょう。
*整理整頓がしやすくなる
ファミリークローゼットに片づけられるのは、衣服だけではありません。
帽子やバッグ、小物類やタオルなどなんでも収納することができます。
また、布団などの大きいものをしまえるのも非常に助かるでしょう。
いろんなものを収納できるため、それぞれの定位置を決める必要があります。
家族構成や生活のパターンなどによって広さや間取りは異なりますが、物がありとあらゆるところに散らばらず、使ったら戻す物の定位置が決まります。
片付けもしやすくなるでしょう。
*掃除がしやすくなる
片付けがしやすくなることで、常に整理整頓されている状態を維持できます。
また、これまでは床にバッグなどを一時的と思って置いていることもあったかもしれませんが、ファミリークローゼットをつくることで、そんなことも減るでしょう。
つまり、掃除がしやすくなります。
特に小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では、片付けのしやすさは重要です。
生活動線の全てに関わってくるでしょう。
*居住スペースを広めに確保しやすい
寝室や子どもの部屋、客間などにそれぞれフルサイズのクローゼットを設置していると、その分部屋の居住空間が狭くなります。
しかし、ファミリークローゼットを代わりに設置することで、衣類を集約できて1箇所にしまえます。
それぞれの部屋でクローゼットを確保しなくて良くなるので、より広く居住空間を楽しめるでしょう。
*お出かけ前の準備がスムーズになる
お出かけ前は何かと準備に時間がかかるものです。
洗面所から玄関前クローゼットでコートやバッグなどを持ち鏡で身なりをチェック。
そして玄関に行くという動線で動きがスムーズになります。
帰宅した際にも、手洗いをして脱衣、そして洗濯、着替え、リビングと動線が綺麗に整っています。
行ったり来たりする必要がなくなるので、家族と衝突するなどのストレスもありません。
□ファミリークローゼットをタイプ別にご紹介
続いては、ファミリークローゼットをタイプ別にご紹介します。
主に2つのタイプがあります。
*ウォークインタイプ
まずは、洗面脱衣所の横に個室をつくって、収納場所とするウォークインタイプです。
これは、歩いて入るためにウォークインと名付けられています。
ウォークインタイプは、後でご紹介するウォークスルータイプと比べて設置面が多くなります。
つまり、より多くの物をしまえて、個室のように使用できるでしょう。
基本的な動線としては、ファミリークローゼットと洗面脱衣室との行き来だけになります。
家の中から外への動線を意識することでより使い勝手の良い動線になるので、意識してみてください。
このタイプの設置パターンとしては、I型・Ⅱ型・L型・U型の4種類があります。
I型は、かけられるところが1列で、Ⅱ型は2列という違いです。
あとは、形によってL型・U型と分かれます。
ウォークインタイプのメリットは、ウォークスルータイプよりも収納量が多いことです。
また勝手口を設置すると、洗濯物を取り込む動作をスムーズにできます。
あとは、出入口を1つだけにして鍵をかけると、思春期の子どもがいる場合でも着替えがしやすいというメリットもあります。
デメリットとしては、室内からの出入口が1つだけになるので、家族が集中すると混雑します。
複数人で同時に使用するのには向いていないでしょう。
*ウォークスルータイプ
ウォークスルータイプは、洗面脱衣所の横に部屋をつくり、さらに人が通り抜けられるようにしたものです。
ウォークスルータイプは、出入口が2つあり、行き止まりにならないことが1番の特徴です。
例えば、帰宅動線を考えてみてください。
シューズクロークからファミリークローゼット、そして洗面脱衣所へと通り抜けられると、一連の動作がスムーズにできます。
ただ、人が通れるようにするという特性上、ウォークインタイプより収納量は少なくなってしまいます。
また、着替える場所をどこにするかは大切なポイントです。
出入口が2つになるので、さすがに両方に鍵をかけるのは面倒かもしれません。
その場合は、家族の中でルールを作っておくと良いでしょう。
例えば、開けっ放しにしておいて、着替える時だけ閉めるとか明かり窓の付いたドアにして、確認してから開けるなどです。
このタイプにも、I型・Ⅱ型・L型・U型の4つの設置パターンがあります。
メリットは、出入口が2つあって行き止まりがないので、効率的な動線になることです。
デメリットとしては、ウォークインタイプより収納量が少なくなることが挙げられます。
また、着替える場所を確保しておかないと使い勝手が悪く、あまり使わなくなるかもしれません。
□ファミリークローゼットで失敗しないためのポイントとは
ファミリークローゼットを設置する上で、押さえておきたいポイントをご紹介します。
*あらかじめ生活動線を具体的にイメージしておく
ファミリークローゼットをなんとなくつくってしまうと、ただの物置となってしまう可能性があります。
ファミリークローゼットをどのように活用するか、どのような動線上に配置するかなどあらかじめ考えておきましょう。
そうすることで、自分達の理想に合った間取りができます。
*ルールを決めてしっかりと従う
ファミリークローゼットの使い方は、あらかじめ家族間でルールを決め共有しておくようにしましょう。
なんでも置ける便利な場所だからこそ、ルールがないと散らかってしまいます。
例えば、洋服や下着だけを収納すると決めたら、それに従いましょう。
それ以外の雑貨や掃除用具、家電などは置かないようにします。
そうすることで、ファミリークローゼットがただの置物となってしまうことを防ぎます。
また上記でも少し触れましたが、着替え中の鍵のルールにも注意しましょう。
もし何かルールを決めた場合は守られないと結局自室で着替えることになり本末転倒となります。
家族間で設けた決まりはしっかり守って、全員が気持ちよく過ごせる配慮を忘れないようにしましょう。
□ファミリークローゼットを設ける注意点
まず、配置場所に注意しましょう。
ファミリークローゼットを普段通る動線上に配置すると、日頃から整理整頓や掃除もしやすい環境になります。
シューズクロークやランドリールームと連結させるのはもちろん、家事の中心となるキッチンやLDKサイドに配置して回遊性のある間取りにすることで、ご家族の誰もが使いやすい便利なスペースとなります。
ただ、リビングや玄関などの、ご家族がくつろいだり来客が来たりする場所からプライベートな収納スペースが見えてしまわないよう注意することが必要です。
また家事動線を考えた工夫も忘れずに行いましょう。
この記事で何度も出てくる家事動線です。
ファミリークローゼットに収納するものは、ご家族が室内で着用する衣類がメインとなると思います。
他には、お風呂や洗面所で使うタオルや着替えをまとめて収納しておくことで、洗濯家事で負担となる濡れた洗濯物を運ぶ重労働や片付けによる移動を省くことができるでしょう。
上記でも述べたようにランドリールームとファミリークローゼットを併設させることで、手間のかかる作業工程や移動時間を楽にする間取りをつくれます。
このように、ファミリークローゼットはご家族の暮らしを快適にするために導入すると良いものです。
しかし、使いこなせないとただの物置になってしまいます。
そうならないために、今回ご紹介したポイントや注意点をご確認ください。
□まとめ
今回は、ファミリークローゼットのメリットと設ける上での注意点について詳しく解説しました。
最近では、これまでの家づくりの考え方とは違い、家事負担を軽減したり、家族全員が暮らしやすいかどうかなど各ご家庭で重要視することを中心に家づくりを始められます。
ファミリークローゼットは各家庭の家事負担を軽減する大きなポイントです。
使い勝手の良いファミリークローゼットを設置するために、ぜひこの記事でご紹介したポイントを参考にしてみてください。
家づくりでご質問がある方は、お気軽に当社までご連絡ください。