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片流れ屋根のメリット・デメリット|後悔した事例6選と対策

おしゃれでスタイリッシュな片流れ屋根は人気が高い!

街中の新築住宅を見ていると、シンプルな片流れ屋根を採用している家庭も多いですよね。

片流れ屋根は、かっこいい外観に仕上げたい方や洗練されたデザインが好みの方におすすめの屋根形状です。

しかし、デザイン性を気に入って片流れ屋根を採用したが、建ててから後悔したという意見も。

 

今回は片流れ屋根のメリット・デメリットを紹介し、失敗事例と対策を解説します。

注文住宅で片流れ屋根の外観を採用したい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

片流れ屋根の外観ってどんな家?

片流れ屋根とは、1つの面が一方向へ流れている屋根のことを指します。

建物の形状に合わせて1枚の屋根を掛けるだけなので、デザイン性も施工性もシンプルな屋根形状です。

勾配を緩やかにするとフラットな屋根に近い外観になり、急にすると屋根が見えやすくなって存在感が増すため、勾配によって大きく外観の印象が変わる点も特徴でしょう。

 

片流れ屋根のメリット

片流れ屋根のメリットを紹介します。

 

シンプルでスタイリッシュな外観に仕上がる

片流れ屋根は、シンプルモダンな外観を採用したい方におすすめの屋根形状です。

複雑な屋根形状ではないため、すっきりとしたスタイリッシュな印象を与えることができます。

屋根の存在感を消してシンプルな外観にしたいなら、軒の出がほとんどない勾配の緩い片流れ屋根を採用する方法がおすすめです。

 

屋根の建築費用を抑えやすい

シンプルな形状の片流れ屋根は、屋根の建築費用を抑えやすい点がメリットです。

複雑な屋根形状の場合、材料も多く必要ですし、施工時間もかかるため費用がかかってしまいます。

片流れ屋根の勾配を緩やかにすることで、外壁面積も減らすことができるので、より費用を抑えたい方は検討しても良いでしょう。

 

小屋裏空間を活用しやすい

片流れ屋根は一方向に流れる形状のため、屋根の1番高い部分を利用することで広々とした小屋裏空間を作ることができます。

勾配を調整して1.4mの小屋裏空間を作れば、高さにもゆとりのある小屋裏収納やロフトが完成します。

片流れ屋根の向きに合わせて間取りを考え、小屋裏空間を最大限に活用できるようにしましょう。

 

太陽光発電システムをたくさん搭載できる

片流れ屋根は太陽光発電システムを搭載しやすい屋根です。

なぜなら、一方向へ屋根が流れているため、全体にパネルを並べることができるからです。

寄棟などの複数方向へ流れている場合、半端なスペースができてしまって搭載量が減ってしまうケースも少なくありません。

四角形の建物にかかった片流れ屋根なら、効率良くパネルを並べることができるでしょう。

 

片流れ屋根のデメリット

 

片流れ屋根のデメリットを紹介します。

 

雨漏りのリスクが高い

片流れ屋根は雨漏りのリスクが高いと言われています。

なぜなら、屋根の一番高い位置から水が伝って、屋根の部材や外壁との間から建物内部に雨が入り込む可能性があるからです。

ちなみに、他の屋根形状でも同様のことが起こる可能性があります。

しかし、二方向以上に屋根が流れている場合、雨が分散されて樋から地面へ雨が落ちるケースが多いです。

片流れ屋根の一番高い部分に樋はつけないので、雨水が伝わりやすい状態になってしまいます。

透湿防水シートで雨水の侵入を防ぎ、板金でフタをするなどのしっかりとした施工が大切です。

 

外壁が劣化しやすい

他の屋根形状と比べて外壁が劣化しやすい点も、片流れ屋根のデメリットです。

片流れ屋根は外観のバランスを考えて、軒の出を深くしないケースが多いため、紫外線や雨水が外壁に直接当たりやすくなります。

すると、日光や雨が当たる範囲が増えるため、外壁が劣化しやすくなるのです。

その結果、メンテナンスが頻繁に必要になるケースも。

軒の出が深くない片流れ屋根を採用するなら、メンテナンスがかかりにくく耐久性の高い外壁材を選ぶことをおすすめします。

 

片流れ屋根で後悔?事例と対策6選

シンプルな形状を気に入って片流れ屋根を選んだが、採用して後悔したという意見もあります。

実際の失敗事例と対策を確認しましょう。

 

事例① 勾配を緩くしすぎて水ハケが悪い

片流れ屋根にしてキューブ型に近い外観にする場合、勾配を緩やかに仕上げることがあります。

しかし、平行に近い勾配にした場合、雨水が流れず屋根に溜まってしまうことも。

その結果、屋根にコケが生えることや雨漏りの原因につながることがあります。

 

【対策】

  • 屋根材に合わせて3~4寸の勾配を確保する
  • パラペットを立ち上げてフラットのような屋根に見せる

 

屋根にある程度の勾配をつけることで、雨の流れが良くなります。

ただし、ガルバリウム鋼板などの屋根材によっては、1寸勾配などの緩やかな屋根でも施工可能な場合もありすので、住宅会社に相談しましょう。

 

また、屋根勾配を確保しつつ、フラット屋根に見せたいならパラペットを立ち上げる方法も効果的です。

外壁で屋根の勾配を隠すことができ、キューブ型の外観に仕上げることができます。

 

事例② 軒をほとんどなくしたら夏暑い

外観のデザイン性を重視して、軒をほとんどなくしたら夏場に日差しで部屋が暑いという失敗事例です。

軒は夏場の日差しを遮ってくれる役割を果たすため、なくしてしまうと直射日光が室内に差し込みます。

その結果、室内の温度が上がりやすくなり、快適性が損なわれたり冷房費がかかってしまいます。

 

【対策】

  • コの字型の建物にしてリビング前に日除けを作る
  • 断熱性・遮熱性の高い窓やカーテンを採用する

 

建物をコの字型にして片流れ屋根を掛けることで、デザイン性を維持したまま日差しを遮ることができます。

こちらの事例は建物をコの字型にして、大きな窓の前に屋根がかかるようにしました。

 

どうしても軒を深くしたくない場合は、窓やカーテンの性能を高めて熱を取り込まない工夫を行ってくださいね。

夏場は窓の前にすだれやオーニングを設置しても良いでしょう。

 

事例③ 大雨のときに樋が壊れた

片流れ屋根にしたら、大雨の際に雨樋が壊れてしまったという事例です。

雨樋が軒先にしかつかない片流れ屋根は、一方向にすべての雨水が流れ落ちてしまいます。

大雨が降ると軒先につけられた雨樋だけでは雨を受け止めきれず、壊れてしまうことがあります。

また、大雪が降った際にもすべて一方向から雪が溶け落ちるため、重みで余樋が破損するケースも少なくありません。

 

【対策】

  • 定期的なメンテナンスを行う
  • 雪止めをつけて一気に溶け落ちるのを防ぐ

 

雨樋が壊れたまま放置しておくと、落下や飛来する危険性があります。

また、雨が直接地面に落ちるため、濡れやすくなってしまったり庭に悪影響を及ぼしたりすることも。

定期的に点検をしてもらい、劣化していたら修繕するようにしましょう。

 

積雪が多い地域では、雪止めを施工することで雪が一気に溶け落ちることを防ぐことができます。

安全性のためだけでなく、雨樋への負担を減らすためにも必ず施工してくださいね。

 

事例④ 大容量の太陽光発電システムを採用したが発電効率が悪かった

片流れ屋根を採用して太陽光パネルをたくさん搭載したが、発電効率が悪かったという失敗事例です。

原因は、勾配が緩すぎた点と日当たりの良くない方角へ屋根が向いている点でした。

太陽光発電システムを採用するときは、発電効率を考慮した上で屋根を設計することが大切です。

 

【対策】

  • 太陽光メーカーの指示に従って屋根勾配や向きを決める
  • 設置場所を考慮した発電シミュレーションを事前に行う

 

太陽光メーカーによって、推奨する屋根勾配は異なります。

屋根材によっても異なりますので、デザイン性とのバランスを考えながら適切な屋根を採用してくださいね。

また、設置位置が確定したら方角を考慮した発電シミュレーションを作成してもらうことも可能です。

事前に確認しておくことで、発電量や効率を想定できますので活用しましょう。

 

事例⑤ 勾配をつけすぎて建築費用がアップした

片流れ屋根の勾配をつけすぎたら建築費用が高くなったという失敗事例です。

勾配を急にするほど外壁の量が増えてしまい、材料費がアップします。

屋根裏空間を確保するために勾配をつけるなどの理由がなければ、住宅会社が推奨する勾配を採用すると良いでしょう。

 

【対策】

  • 価格を抑えたいなら緩勾配の片流れ屋根にする

 

なるべく価格を抑えて注文住宅を建てたいなら、細かな部分にも気を配りましょう。

勾配の緩い片流れ屋根を採用することで、外壁や構造材の量を減らすことができます。

 

事例⑥ 隣家の建売住宅と似たようなデザインになった

片流れ屋根のシンプルな外観にしたら、すぐ近くに建った建売住宅の外観と似ていたという失敗事例です。

比較的安価に仕上げることができる片流れ屋根や切妻屋根は、建売住宅で採用されるケースも少なくありません。

事前に建売住宅が建っているなら避けることができますが、そうでない場合は注意しましょう。

 

【対策】

  • 建物形状や外観、外構などで個性を出す
  • 複数の片流れ屋根を組み合わせたような外観にする

 

注文住宅は、間取りや外装材などを自由に決められる強みがあります。

そのため、シンプルな片流れ屋根でも個性的な外観を作ることが可能です。

 

<おしゃれな片流れ屋根の施工事例>

設計力のある住宅会社にかっこいい外観を作ってもらいましょう。

 

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【おわりに】

シンプルでスタイリッシュな外観に仕上げたい方におすすめな片流れ屋根。

比較的費用もかかりにくく、太陽光パネルをたくさん搭載できるなど、費用面以外にもさまざまなメリットがあります。

一方で、日差しや雨漏りに対する対策が必要というデメリットも。

対策をしっかりと考えた上で片流れ屋根を採用し、後悔のない外観に仕上げてくださいね。

 

アイリスホームでは、お客様の暮らしに寄り添った家づくりをしています。

デザイン性にこだわったシンプルモダンな外観も多数建築しておりますので、ぜひお気軽にご相談くださいね。

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この記事を書いた人

三階 真紀

間取り・外観・内観イメージなどCADを操り自由自在に作成します。 社内の仕事を多岐にわたりこなすパワフルウーマン。北海道生まれだという説もある◎