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断熱をこだわるべきな理由と実際の所の話#02

年明け3周目。今日は断熱の話

みなさんこんにちは。年が明けて3周目。去年をさかのぼって反芻してみたんですけど、色々あってもはや思い出せない(汗)誰もが言いますが、一年がほんとに短く感じますね。
本日は断熱が何故大事なのか?の二回目です。当社の断熱の造りを主に書きます。日本の住宅は各ハウスメーカーさんや工務店さんごとに一つ一つ造りが違います。
暖房で言えば全館床暖房のところもあれば、エアコン一台で!のところもある。断熱も同じで、各社さんでコダワリや違いがあるんです。そうなると何が違ってどこが良いの?ってなってしまう。
まず断熱工事の基本から見ていきましょう。木造住宅の場合、一般的に下の2つがあります。
・充填断熱工法
・外張断熱工法
ちょっと玄人ことばなので言い換えると
・充填断熱工法→内断熱
・外張断熱工法→外断熱
になります。

充填断熱工法とは、、、

充填断熱工法=内断熱とは、構造物の柱と柱の間に断熱材を入れる工法です。柱は隠されて壁になるわけですが、建物の外側の壁には断熱材が入っています。
内側に充填することから充填断熱工法と言われており、今日の木造住宅で広く使われている工法になります。壁の中のスペースを利用するので新たに断熱のスペースを設けることがなく、シンプルな工法からコストが外張断熱より安くなる場合がほとんどです。
その反面、柱や梁といった構造材の部分は断熱材がありません。また中に入れる断熱材の種類によって、性能が変わります。吹付け断熱など種類が豊富です。東北では一般的にグラスウールと言われるガラス繊維のものが使われます。
このグラスウールも色んな商品があって性能が違ったりします。

外張り断熱工法とは、、、

外張断熱工法=外断熱とは、構造の柱の外側に断熱材を配置して、建物を全体的に包むやり方です。壁の中の空間はそのまま残され、配線などに利用されます。
この工法は構造体が保護され、防湿性が高く断熱の内部結露(窓のあれですね)が起こりにくいメリットがあります。その反面内断熱工法よりコストが高くなりがちで、また断熱材の上から外壁を造るので地震が起きたときなど、メンテナンスに難があるときがあります。

じゃあ、どっちにしたら良いんだろう?

内断熱、外断熱について簡単に書きましたが、結局どっち?ってなりますよね。工法として比較するとどちらもメリット・デメリットがあります。
その中でどう判断したら良いか。ケースバイケースがあるのですが、建てる家に使われる断熱をしっかり理解することが重要ですね。費用も含めて、自分が納得のできるものを提案してもらうのが良いと思います。商材から工法まで本当に色々あるので。

W断熱。

内断熱と外断熱についてメリット・デメリットを書いてきましたが、断熱の仕方にこの2つを組み合わせたW断熱があります。
両方の良いところを重ねて、より断熱の力を高める方法ですね。建物の性能がどんどん上がっていく中で、採用される会社さんも多いです。外断熱でしっかり覆って、内断熱でそれを底上げする形になります。
これをすると夏涼しく冬暖かい、健やかな暮らしが実現します。暖房・冷房にもすごくいい影響があります。
アイリスホームでもこの考え方を推奨していて、内断熱工事に加えて、漆喰のベースになるボード(発泡スチロール系です)に断熱性能がありますので、漆喰工事を選んで頂くと内側の断熱+外のボード断熱でW断熱になります。
W断熱は最初に建築費用としてかかるイニシャルコストは高めです。外と内を一緒にやるので。これを聞くとちょっとおっかなびっくりになってしまうんですけど、家の費用って建てた時の費用だけじゃなくて、その後の暮らしでかかる費用、修繕などのメンテナンス費用も含めて考える事が必要です。(特に漆喰の外壁はメンテナンスの部分で非常に後々違ってきます。)

ハイブリッドな世の中。

例えば車だったら、ハイブリッド車が出た時って車の値段すごく高かったですよね。けれどその後のガソリン代が普通の車と比べて全然違うことが分かってきた。
そこから車の燃費という性能の部分は市場としてすごい成長しました。ハイブリッド車は今では選択肢の一つですし、出始めた時の値段より安価で高性能なものが増えています。
エアコンでも、10年前と今のエアコンでは性能もかかる電気料金もぜんぜん違う。ものを大切にする心は非常に大切ですが、買い替えたほうがお財布と体の健康にもいい場合があります。

終わりに、、、

僕が言いたいのは「だから性能の良い家を買いましょう、W断熱にしましょう!」ではなくて、長い目で選択肢の一つになる、ということです。日進月歩の世の中、瞬く間にスマホが浸透して今みなさんの生活の必需品になっているように、家も5年、10年と進化していきます。
あなたが今30歳だとして、家を35年ローンで組んだとしたら、払い終わる65歳までにも色んなことがあると思います。長い人生の中で、あなたが住処に決めた家が暖かく守ってくれるものだったら、家族全員で健やかに暮らせるのなら、検討することだと思うのです。
断熱工事ですから、家の規模によって費用も変わってきます。これは人の価値観によって本当に考え方は十人十色です。良い立地にお金をかけるか、家の大きさにお金をかけるか、設備にお金をかけるか。
全て正解なんですけど、考えることの中に家族の健やかさや豊かさに通じるジャンルにも、一度目を向けてみてください。
新しいことはどんどん出てきますし、ある日世の中を変えるような物も出てきます。その中でわからないこと、今まで知らなかったけど良いと思うものを一緒に創造していけたらいいいなと、そう思います。
 

この記事を書いた人

佐久間 岩男

アイリスホームの代表取締役社長であり、同時に「何でもします課」を自ら公言している。実直な性格だが(見かけによらず)同乗者にあたたかい飲み物を事前に用意しているやさしさを併せもっている。南相馬で生まれ南相馬で社長になった南相馬純血。実は24歳から社長業に勤しんでいるので社長歴20年のキャリアをもっている。とても人情豊かな社長である。