ハウスメーカーと地元工務店は、どちらも注文住宅を扱う会社です。
しかし、何となくの思い込みで無意識に差別化をしてはいないでしょうか。
- ハウスメーカーは高いから予算が厳しそう‥
- 地元工務店でおしゃれな家って建てられるのかな‥
このような認識を持っていると、住宅会社の選択肢を狭めてしまいます。
価格帯はハウスメーカーの中でも様々ですし、デザイン力の高い工務店もたくさんあります。
今回はハウスメーカーと地元工務店の違いを解説します。
住宅会社を選ぶときのポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ハウスメーカーと地元工務店の違い|9個の項目を比較して解説
ハウスメーカーと地元工務店の違いを確認しましょう。
①会社規模
会社規模はハウスメーカーの方が大きいです。
全国展開をしている会社も多くあります。
ハウスメーカーは様々な地域で検討することができる点がメリットでしょう。
対して、地元工務店は限られたエリアで家づくりを行っている会社です。
中にはかなり小規模で活動している工務店もあるため、建てられる方は絞られてしまいます。
ただし、地域密着で長く活動しているケースが多いため、土地柄に合った提案をしてくれる点はメリットです。
②価格帯
価格帯はハウスメーカーの方が高いという認識を持っている方が多いでしょう。
しかし、実際はハウスメーカーの中でもさまざまな価格帯があります。
大手ハウスメーカーと呼ばれる住宅会社はトップレベルの価格帯です。
中には、坪単価が100万円近くになるメーカーもあります。
対して、ローコストメーカーと呼ばれる会社は、坪単価50万円を切る家を提供しているケースも多いです。
地元工務店もハウスメーカーと同じく、会社によって価格帯は大きく異なります。
ローコストメーカーと同じく坪単価50万円以下の会社もあれば、70万円以上の会社もあるのです。
相対的に見ると、地元工務店の方が価格が安いのは間違いありません。
しかし、どちらも会社によって幅があるため「ハウスメーカー=高い」と決めつけず、詳しい金額を確認することが大切です。
③構造
ハウスメーカーは、独自の構造を採用しているケースも多々あります。
特に大手ハウスメーカーでは、オリジナルの柱やパネルなどを開発して耐震性を強化している構造が多いです。
実際の建物を使った耐震実験を行っている会社も少なくありません。
また、鉄骨造などを扱っている会社も複数あるため、さまざまな構造から検討することができます。
地元工務店は、一般的な木造軸組工法を採用していることが多いです。
ただし、プレカット工場で加工された質の高い木を採用していますので、ハウスメーカーと比べて質が劣るということではありません。
工務店の中でも耐震性を強化する方法は大きな違いがあり、しっかりと見比べることが大切です。
④仕様
仕様の自由度は地元工務店の方が高いケースが多いです。
大手ハウスメーカーほどルールが明確化していないため、お客様に合わせた柔軟な対応ができます。
また、施工する地域が限られているため、建てる地域に合った仕様が標準になっています。
断熱材やサッシの性能などを地域の気候に合わせて選ぶことで、コスパの良い家にすることが可能です。
ハウスメーカーは全国展開していることが多いため、すべての地域に対応できるような仕様になっているケースが多いです。
または、寒冷地などの地域だけオプション扱いになってしまうこともあります。
標準仕様も明確に決まっていて、グレードを下げても金額が変わらないというケースも少なくありません。
住宅会社を検討するときは標準仕様の必ず説明を受け、自分達の家に合った内容なのかチェックしましょう。
⑤打合せ体制や期間
打合せ体制や期間も大きく異なります。
ハウスメーカーの場合、営業・設計・インテリアコーディネーターの仕事が明確化しています。
また、1ヵ月あたりに担当する件数が多いため、打合せ内容もルール化されている会社がほとんどです。
これらの理由から、ハウスメーカーはきっちりとスケジュールが組まれていて、比較的スピーディーに打合せが進むケースが多いです。
対して、地元工務店はハウスメーカーと比較すると、ゆっくりとしたスピードで打合せが進みます。
なぜなら1ヵ月あたりの担当数がそれほど多くないからです。
営業と設計、設計とインテリアコーディネーターが兼任の会社もあるでしょう。
業者さんの数も限られるため、短期の工程を組むことができないケースもあります。
そのため、打合せが隔週だったり、着工までのスケジュールがゆったりと組まれるケースも少なくありません。
スピーディーに打合せを進めたいならハウスメーカー、ゆったりと家づくりをしたいなら地元工務店がおすすめです。
⑥工期
工期や現場管理についてです。
工期はハウスメーカーの方が短いことが多いです。
また、ハウスメーカーの中でも軸組工法やユニット工法で、大きく工期が異なります。
柱や梁を組んで家を建てる軸組工法は、約4ヵ月の工期が一般的です。
対して大部分を工場で完成させるユニット工法は、最短で2ヵ月で家が完成します。
対して、地元工務店は工期が少し長めなケースが多いです。
一般的な木造軸組工法を採用している場合、約半年の工期がかかるケースが多いでしょう。
中には1年近くの期間をかけて、じっくりとこだわりの家を施工することもあります。
もちろん、職人さんの数によって工期は大きく異なるため、事前の確認が大切です。
⑦業者や現場管理
業者さんの数は圧倒的にハウスメーカーが多いため、スムーズに現場作業が進みます。
しかし、業者の中には下請け会社も含まれるため、管理まで行き届いていないケースも少なくありません。
現場監督も複数の現場を掛け持ちしているため、毎日足を運べるわけではありませんからね。
もちろん、ハウスメーカーによっては現場管理に力を入れている会社もあります。
同じハウスメーカーでもエリアごとに対応が異なることもあるため、どのような態勢なのかしっかり確認してください。
一方、地元工務店は業者の数が少ないため、社員との関係性が強いケースがほとんどです。
施工スピードはゆっくりですが、連携が取りやすい点や監督が現場を管理しやすい点はメリットでしょう。
⑧保証・アフターサポート
保証に関しては、ハウスメーカーの方が力を入れているケースが多いです。
自社の長期保証制度があり、中には最長で60年保証してくれる会社もあります。
もちろん保証の条件はありますが、保証が長期間あると安心ですよね。
ハウスメーカーのアフターサポートは、無料点検の回数に力を入れている会社が多いです。
定期的に点検を行ってくれるため、建物の傷んでいるところを早期発見できます。
ただし、緊急時の対応は会社や担当者によって大きく異なるため、事前に確認してみましょう。
地元工務店の保証は、ハウスメーカーと比較すると劣るケースも多いです。
中には、必須である瑕疵担保責任保険の10年保証のみの工務店もあります。
規模が小さい工務店の場合は、万が一工事がストップしても建物の完成まで保証してくれる「完成保証」がついていると安心です。
アフターサポートは、地域密着なので迅速な対応をしてくれるケースが多いです。
会社から近くの現場が多いため、すぐに駆け付けることができますからね。
ただし、ハウスメーカーと同じく担当者によって差があることは違いありません。
⑨会社の雰囲気
会社全体の雰囲気も異なります。
ハウスメーカーは規模も大きいため、きっちりした印象のスタッフが多いです。
信頼感や安心感を重視したい方にはおすすめします。
地元工務店は、物腰柔らかな印象のスタッフが多いです。
相談のしやすさを重視し、アットホームな雰囲気が好きな方にぴったりでしょう。
自分に合った住宅会社を選ぶときに確認すべき5つのポイント
住宅会社を選ぶときにチェックするポイントを5つ紹介します。
①自分達の家づくりの軸に沿った提案をしてくれているか
自分達が建てたい家づくりに共感し、その軸に沿った提案をしているかをチェックしましょう。
例えば、家族で快適に暮らせる家が建てたいなら、断熱性などを考慮した設備や間取りを提案してくれる会社がおすすめです。
デザイン性を優先した提案をしてくる会社は、自分達の考えを理解してくれていないかもしれません。
また、無理せずローンを組みたいという思いが強いなら、予算内でより良い提案をしようとしてくれる会社に任せた方が良いでしょう。
どんなに良い提案を受けても、予算よりも数百万円高いような資金計画では感覚のズレを感じますよね。
まずは、自分達が家づくりにおいて何を重要視しているかを、住宅会社に伝えることが大切です。
そして、その軸をベースとして提案してくれる会社を選びましょう。
②建てるときのことだけでなく数十年住むことを考えられた家か
家は数十年住むため、先々のことを考えた家を提案してくれるかも大切な条件です。
お客様の要望を満たすため流行りの間取りや設備を、優先的に提案してくる住宅会社も多いです。
目先の金額を抑えるために、将来メンテナンス費用がかかる部材を提案する会社もあるでしょう。
打合せをしているときは、要望を満たしてくれる低価格な会社が魅力的に見えるかもしれません。
しかし、将来的には後悔する可能性が高いですよね。
住宅会社を選ぶときは、本当に自分達のことを考えて提案してくれているのはどこなのか冷静に見極めましょう。
③意見を聞き入れてくれて時には否定もしてくれるスタッフがいるか
家づくりは何度も打合せを重ねるため、スタッフとの相性が非常に大切です。
信頼できて、自分達の意見をしっかり聞き入れてくれる営業マンを選びましょう。
中には自分の意見ばかりを押し付けてくる営業マンもいますからね。
ただし、意見を全て受け入れてしまうスタッフには注意する必要があります。
なぜなら、プロの意見がないと素人が作る家になってしまうからです。
間違えているときにはしっかりと否定し、改善案を提案してくれるようなスタッフをおすすめします。
④完成現場や構造現場の案内を積極的に行っているか
完成見学会を行っている会社を選び、必ず参加しましょう。
展示場やショールームを見ただけでは、住宅会社のリアルな家づくりはわかりませんからね。
完成見学会に参加し、自分達がイメージしている建物が建つかチェックしてください。
また、建築中の現場を確認することも大切です。
現場見学を断る会社は、業者や現場の管理に自信がない可能性があります。
建築のことはわからなくても、業者さんの態度や現場の清潔感から良し悪しは判断できます。
安心して家づくりを任せられる会社なのか見極めてくださいね。
⑤期待以上の提案をしてくれる会社か
家づくりをしたいけど、建築のことはよくわからないという方も多いですよね。
そのような方には、期待以上の提案をしてくれる会社を選んでください。
つまり、言われたことや決まったことしかやってくれない会社はダメということです。
例えば、予算の都合でコストを削減することになったと仮定します。
- ただ建物を小さくしたプランを提案したA社
- プランは小さくなったけど使い勝手が良くなっているB社
A社の提案を受けたときはガッカリしますが、B社ならプランをコンパクトにしても良いかもと感じますよね。
このような工夫をしてくれる会社は、契約後もさまざまな点で配慮をしてくれるはずです。
期待以上の提案を受けると、家づくりが楽しみになりますし、より良い建物が出来上がります。
毎回ワクワクするような提案をしてくれる住宅会社を選んでくださいね。
【おわりに】
ハウスメーカーと地元工務店はさまざまな違いがあります。
一概にどちらが良いと言えるものではありません。
そのため、自分自身で違いを理解し、合っている会社を見極める必要があります。
住宅会社を選ぶときのポイントを意識しながら、後悔のない会社選びをしてくださいね。
アイリスホームは相馬市・南相馬市で家づくりをしている地元工務店です。
1年に建築できる棟数は限られますが、住む人に合ったきめ細やかな提案を意識しています。
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