台風は毎年発生する天災の1つです。
日本列島を横断・縦断することも多いため、台風の被害がまったくない地域はありませんよね。
相馬市・南相馬市にお住まいの方も、2019年の台風19号による被害は記憶に新しいでしょう。
台風を避けることはできませんが、台風に強い家を建てることは可能です。
台風から負けない家を建てることができれば、家族の安全を守ることにつながります。
そこで今回は、さまざまな観点から台風に強い家について考えます。
家づくりに取り入れられそうなポイントがあれば、積極的に採用してみてくださいね。
7つのポイントから「台風に強い家」について考えよう
台風に強い家とはどのような建物なのでしょうか。
ポイントごとにチェックしていきましょう。
「構造」について考える
一般住宅を建てるときの構造は、大きく分けて次の3種類です。
- 木造
- 鉄骨造
- 鉄筋コンクリート造(RC造)
一般的には、鉄筋を組んだ後にコンクリートを流し込む「RC造」が台風に強いと言われています。
建物の基礎の部分が建物全体の構造体になっていることをイメージすると、強靭さが理解できるはずです。
実際に台風の被害が多い沖縄県では、約8割の建物にRC造が採用されています。
では、木造と鉄骨造は台風に弱いのでしょうか。
以前はそのようなイメージを持たれていましたが、最近では木造と鉄骨造も台風に対して強い強度を誇ります。
土台・柱・梁などの接合部は金物などを使って強固に接合されていて、地震や台風に耐えられる建物が多いです。
しっかりとした施工を行えば、強風により家が飛ばされてしまう可能性はほぼ無いと言えるでしょう。
どの構造で建てるかということよりも、どんな素材を使って誰に家を建ててもらうかが非常に大切です。
「屋根の形状」も耐風性に大きく関係する
台風で屋根が飛ばされたというニュースを聞いたことがありますよね。
この被害の原因は大きく分けて次の2つです。
- 古い建物で屋根が劣化していた
- 軒が深くて空気抵抗に耐えられなかった
実際は、点検やメンテナンスをしていない古い建物の屋根が飛ばされるケースがほとんどでしょう。
しかし、まれに古くない建物でも、軒が深いと屋根に被害が出ることがあります。
軒とは外壁よりもせり出した部分の屋根のことです。
風が吹くと下から上へ空気の流れが生まれます。
軒が深いと空気抵抗が起こる面積が広がるため、屋根に負荷がかかります。
すると、屋根が風圧に耐えられなくなって、接合部が外れたり最悪の場合は飛ばされてしまうのです。
逆に軒がほとんどない屋根は、風が吹いても空気抵抗がありません。
風の流れを邪魔することなく受け流すため、被害を受けずに済むケースが多いです。
また、台風のときには雨も多く降るため、雨漏りしにくい屋根形状を考えることも重要です。
例えば、複雑な屋根形状では、施工が難しいため水が漏れやすいと言われています。
谷がある屋根や陸屋根も水が溜まり、雨漏りのリスクが高いです。
雨漏りをしにくい屋根にしたいなら、極力シンプルな切妻や片流れ屋根を選ぶと良いでしょう。
台風に強い「外壁材・屋根材」を選ぶ
台風の雨風は建物の外壁と屋根に直撃します。
そのため、台風に強い外壁材と屋根材を選ぶことが必要です。
外壁材は防水塗装をしてあるタイプをおすすめします。
ただし、シーリング材が使われている外壁は、劣化して雨漏れしやすいためこまめなメンテナンスが必要です。
高温で焼き固められたタイルなどは、飛来物の衝撃にも耐えられる可能性があるでしょう。
雨漏りのしにくさと耐衝撃性を考えて外壁材を選んでみてください。
屋根材は防災瓦やガルバリウム鋼板をおすすめします。
防災瓦は瓦同士の連結を強化しているため耐久性・耐風性に強いです。
ガルバリウム鋼板は、風に強く錆びにくいという特徴があります。
ただし、メンテナンスをしないと劣化するため、定期的に点検を受けると良いでしょう。
「サッシの種類」を選んで被害を留める
台風時にはサッシにも強い雨風が当たります。
サッシにシャッターや面格子をつけて、飛来物からガラスを守りましょう。
シャッターのデザインを好まない方は、防犯ガラスなどの強化ガラスがおすすめです。
また、大きな窓は中庭に採用することで、飛来物を避けることができます。
中庭全体が建物で守られているため、真上から飛来物が落ちてこない限りは安全です。
ただし、中庭自体に雨が溜まりやすいため、排水計画をしっかりと立ててくださいね。
▶おすすめコラム:プライバシー性が高く、明るく開放的な「中庭のある暮らし」とは?
カーポートなどの「外構」にも注意
カーポートや物置などを敷地に設置する場合は、飛ばされないような工夫が必要です。
具体的には、耐風性のあるカーポートを選ぶことをおすすめします。
台風が来るときだけ支柱を増やせる着脱タイプもあるため、敷地の広さなどに合わせて選んでみてください。
物置には、普段から重いものを収納して、風に飛ばされないようにしましょう。
形状は低くて幅広い方が、風の抵抗を受けにくく安定性も高いためおすすめです。
また、設置時にアンカーボルトで固定することで、より耐風性を高めることもできます。
高さのあるブロック塀も風によって破損する恐れがあります。
返しをしっかりとつけて、倒れにくいように工夫してください。
▶おすすめコラム:カーポートはデメリットも多い!失敗しないための選び方を紹介
「基礎や地盤の高さ」も重要
建物の基礎や家を建てる地盤面の高さも重要です。
台風時はたくさん雨が降るため、建物が周りよりも低い位置に建っていると浸水の被害に遭いやすくなります。
盛土をして道路や隣家よりも高い位置に家を建てることで、浸水のリスクを減らすことが可能です。
打合せ時には、基礎や設計する地盤面の高さについても確認してみてくださいね。
「平屋」は風の抵抗を受けにくいため耐風性が高い
台風に強い建物にしたいなら、平屋がおすすめします。
なぜなら、平屋は2階建てと比べて低く安定感があるため、風の抵抗を受けにくくなるからです。
周りの建物が2階建て以上なら、それらが壁となって風を防いでくれるでしょう。
ただし、平屋は浸水に弱いというデメリットがあります。
1階部分しか無い平屋は、床上浸水すると避難する場所が無いからです。
2階建てなら上の階に避難すれば数時間は耐えることができますし、ベランダから救助を要請できます。
平屋を建てる場合は、浸水被害に遭いやすい土地なのかしっかり確認しましょう。
▶おすすめコラム:平屋はほんとうに地震に強いのか?平屋の耐震性について解説します
台風に強い家を建てたいなら土地選びも慎重に!ハザードマップを活用しよう
台風に強い家を建てるためには、建築する土地選びも非常に大切です。
市町村がハザードマップを発行していますので、浸水の可能性が低いエリアを選びましょう。
ただし、浸水の可能性が低いエリア内でも、土地の高さや立地によっては雨が溜まりやすい可能性があります。
必ず現地まで行って状況を確認してから、購入を決めてください。
そのエリアに住んでいる人に、大雨のときの土地の状況を聞いてみても良いでしょう。
また、土地を見に行くときは住宅会社の担当者に同行してもらうことをおすすめします。
なぜなら、土地の地盤が低くても、設計次第では浸水対策できることがあるからです。
土地選びの段階から災害を意識して、条件の良い土地を選びましょう。
日頃の備えやメンテナンスをすることで台風に強い家の力を発揮できる
台風に強い家を建てたとしても、その後の対策を行わないと効果が半減します。
例えば、次のようなことが想定できるでしょう。
- 普段シャッターを使っていなかったため建付けが悪くて閉まらなかった
- 外壁同士をつなぐシーリングが劣化して雨漏りをした
- 屋根材の一部が割れていたり剥がれたりしていて飛ばされた
これらは普段からメンテナンスを行うことで防ぐことができます。
住宅会社に定期的に点検してもらい、適切なタイミングで修繕を行いましょう。
また、台風の前には鉢植えや自転車を屋内に移動させるなどの対策も大切です。
自分の家が被害に遭わず、隣家にも迷惑を掛けないような行動をしましょう。
火災保険は水災と飛来物による破損もセットで契約
被害に遭ったときの備えとして、火災保険の内容を充実させておくことも大切です。
水災や飛来物による破損に対する補償は、火災保険のオプション扱いになっている保険会社もあります。
内容をしっかり確認して、必要に応じて加入するようにしてください。
【おわりに】
台風は人の命を奪うような恐ろしい災害です。
家族が安心して暮らすためには、台風などの災害対策がしっかりと行われた家を建てなければいけません。
今回紹介したポイントを取り入れながら、台風に強い家を検討してみてくださいね。
アイリスホームでも過去の災害の経験を元に、台風から家族を守る家を提案しています。
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