マイホームを建てるときに、できるだけ大きな家を建てたいと思う方は多いでしょう。
しかし、資金・土地などの制限により、建物の面積を小さくしなければならないこともあります。
ただ各空間の面積を小さくしただけでは、暮らしにくい家になってしまいます。
それではマイホームを建てた意味が無くなってしまいますよね。
間取りの工夫することで30坪でも広く見せることは可能です。
もちろん、ゆったりとした暮らしやすい空間を作ることもできますよ。
今回は、30坪の家にスポットを当て、コンパクトな家でも広く見える間取りを紹介します。
30坪の家ってどのくらいの広さ?
そもそも30坪の家とは、どのくらいの広さなのでしょうか。
家の広さはさまざまな単位で表されます。
畳数 | 平米数 | |
1坪 | 2畳 | 約 3.30㎡ |
30坪 | 60畳 | 約99.17㎡ |
30坪は畳60枚分と聞くと「意外と広いかも」と感じます。
ちなみに、シングルのテニスコートの半面が97.82㎡なので、30坪の家と近い広さです。
こちらは広いと感じる方もいれば、狭いと感じる方もいるかもしれませんね。
令和3年度の国土交通省の調査では、福島県の一住宅当たりの延べ床面積の平均は「112.65㎡」でした。
坪数に直すと、約34.07坪です。
つまり、30坪の家は平均よりも少しコンパクトな住宅ということがわかります。
他の件については下記のURLを参考にしてみてください。
コンパクトな間取りを広く見せるコツ
では、30坪のコンパクトな間取りを広く見えるコツを考えていきましょう。
広く見せるコツ① 高さや外の空間を利用する
延床面積が広く取れないなら、高さや外の空間を利用した家づくりをしましょう。
高さを活かすためには、次のような手法があります。
- 吹き抜けや勾配天井
- 折り上げ天井
- スケルトン階段
- ハイドア
- ハイサッシ
また、室内と屋外のつながりを持たせることで、空間を広く見せることができます。
上の画像のように、中庭やデッキの採用がおすすめです。
間取りに合った方法を選んで取り入れてみてくださいね。
広く見せるコツ② 空間を区切りすぎない
空間を区切りすぎないことも広く見せるコツの1つです。
壁に囲まれた空間は圧迫感が生まれます。
無駄な壁を無くし、ドアも壁内にすっきりと収まる仕様にすることで空間が広く感じます。
こちらの家はテレビ台の左右に扉があります。
開けたときにはドアが無いように感じるような、すっきりと収まるデザインです。
広く見せるコツ③ 2つの用途で使える空間を作る
1つの空間を2つ以上の用途で使うことができると、面積の削減ができます。
30坪の面積にしたいが、なかなか坪数が減らないという方は検討してみましょう。
具体例を2つ紹介します。
- 廊下と洗面所を共有に
トイレへつながる廊下と洗面所を共有した間取りです。
個別に洗面所を採用すると+1~2畳の面積が必要になります。
しかし、廊下と共有にすれば、洗面台を設置するスペースだけ確保すればいいのです。
洗面所のドアやトイレ内の手洗い洗面も省けるため、費用の削減にもつながります。
- 脱衣所とランドリールームを共有に
脱衣所内に室内物干しを採用し、外の干し場とつながる間取りにすれば、脱衣所兼ランドリールームが完成します。
脱衣所に物干しがあると、洗濯機から洋服を出して直接干すことができて便利です。
個別にランドリールームをつけると、2~3畳の面積追加になります。
また、外の物干し場までが遠い場合も、廊下を作らなければなりません。
用途を共有して面積を削減しつつ、使い勝手の良い間取りを設計しましょう。
▷おすすめコラム|洗濯物はどこに干す?さまざまな事例とメリット・デメリットを紹介
広く見せるコツ④ 目線の抜けを作る
視覚的効果を使って空間を広く見せることも大切です。
奥行きのある部屋の形にしたり、窓を上手く配置したりして目線の抜けを作り、実際の面積よりも広く見せる工夫をしましょう。
玄関の先に窓があると、開放感のある広々とした空間に感じます。
玄関自体の奥行きはあまりないですが、窓があると圧迫感がありません。
また、奥行きのあるLDKに入ると、広いと感じます。
畳数だけでなく、部屋の形や窓の位置にも意識を向けて設計してみてくださいね。
▷おすすめコラム|空間の広さを変えずに部屋を広く見せる方法7選【注文住宅の豆知識】
【間取りあり】広く見える30坪の家を実際に見てみよう!
では、実際に広く見せるコツを取り入れた30坪の家を見てみましょう。
今回紹介するのはこちらの平屋です。
各空間の広さを紹介します。
- LDK :18畳(収納・カップボード含む)
- 子供部屋:12畳(「4.5畳+収納1.5畳」×2部屋分)
- 寝室 :6畳
- 玄関 :6畳(ポーチ・玄関・ホール・SIC)
- 水回り :6畳(お風呂・洗面脱衣室・トイレ)
- WIC :3畳
その他の空間も含め、全体で約29坪です。
では、具体的な間取りを見ていきましょう。
ポイント① 玄関からLDKにつながる廊下は大きな窓を採用
玄関から子供部屋やLDKにつながる廊下があります。
両側が壁だとかなり圧迫感を感じる空間ですが、中庭が見える大きな窓を採用しました。
中庭やLDKに目線が抜けるため、開放的で広く感じます。
ポイント② 一直線LDKとハイサッシで開放的な空間に
LDKは一直線に配置しました。収納やカップボードを除くと16畳の空間です。
一般的な広さのLDKですが、空間に奥行きを持たせることで畳数以上の広さを感じます。
また、天井までの高さのハイサッシを取り入れるため、外との一体感もあります。
日が差し込む明るいLDKは、空間を広く見せることができます。
内装はシンプルな白をベースにして、すっきりと見せている点もポイントです。
ポイント③ 大きめの中庭は各空間とつながりを持たせて
コの字型の間取りの中心には、大きな中庭を採用しました。
約10畳の空間です。
窓から中庭がつながっているため、LDKが広く感じます。
窓を開ければ、中庭をアウトドアリビングとして活用できます。
正面には目隠しもあるため外からの目線が気にならず、プライバシーが保たれた空間です。
また、洗面脱衣室からも中庭にアクセスできます。
洗濯物を外に干すときの動線を考えて、大きな掃き出し窓を採用しました。
▷おすすめコラム|プライバシー性が高く、明るく開放的な「中庭のある暮らし」とは?
ポイント④ 個室の窓の位置は高めにして家具を配置しやすいように
子供部屋は間仕切りのない9畳の面積を確保。
将来区切りたくなったら壁を足せる、可変性のある間取りにしました。
こだわりは窓の大きさと配置です。
あえて小さめの窓を4つ並べて、高めの位置に施工しました。
大きな窓をつけると明るいですが、窓と家具が被ってしまうことがあります。
コンパクトな子供部屋なので、壁の面積をなるべく増やし、家具の置き場に制限が出ないように工夫しました。
窓を高めにつけたため、平屋でも明るい光が差し込みます。
また、ベッドに寝てても窓の冷気が感じにくかったり、勉強してても眩しくなかったりする点もメリットです。
寝室にも同様の窓を採用して、居心地の良い空間を作りました。
▷おすすめコラム|子供部屋って、どのくらいの広さが必要なの?
ポイント⑤ 場所によって外壁の面積を使い分ける
道路側から見た外観は黒ですが、コの字の内側の外壁は白を採用しました。
室内側から見たとき、外壁がすべて黒だと部屋が狭く感じることがあります。
一部分を白の外壁にすることで、圧迫感を減らし空間が広く見えるように工夫しました。
また、白の外壁を採用する場所にもこだわっています。
部屋のクロスとつながる部分の外壁を白にすることで、室内と屋外の境目を曖昧にしました。
室内と屋外の一体感を高めたいときに効果的な手法です。
【おわりに】
30坪の家でも、間取りの工夫次第で広く見える家を建てることは可能です。
コンパクトの家は、動線が短くなって生活がしやすいというメリットもあります。
建築時の初期費用だけでなく、固定資産税やメンテナンス費などに削減にもつながるためお得です。
敷地を上手く活用して、暮らしやすいコンパクトハウスを建ててくださいね。
アイリスホームはお客様の要望や予算に合わせた家づくりもしています。
30坪前後のコンパクトハウスも多数建築しておりますので、お気軽にご相談ください。
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