シンプルな家は、いつの時代でも人気のある住まいのテイストです。
「こだわりを詰め込むことができる注文住宅でシンプルな家を建てるのはもったいない?」と思う方もいるでしょう。
しかし、シンプルな家でもこだわるべきポイントはたくさんあります。
むしろシンプルで使いやすく、かつおしゃれな家にする方が難易度が高いケースも。
そこで今回は、「シンプルな家」にするためのコツを、おしゃれな間取り・外観・内装の実例を使って解説します。
シンプルな家ってどんな家?
シンプルな家は、無駄がない間取りや洗練されたデザインの外観・内装の住まいのことを指します。
モノトーンや無地をメインにした内外装や、素材の良さを活かすようなシンプルなコーディネートが人気です。
廊下や多層階などがなく、極力負担なく暮らすための間取りが採用されていることなども、シンプルな家の特徴でしょう。
注文住宅と言えば、自分好みの色や柄を取り入れた空間を作ることが一般的ですよね。
しかし、あえてシンプルを極めることで、住まいのデザイン性や暮らしやすさが向上することもあります。
これから注文住宅を建てるなら、住まいのシンプルさにこだわってみてはいかがでしょうか。
いま「シンプルな家」を選ぶべき4つの理由
なぜ、シンプルな家が多く選ばれているのでしょうか。
いま「シンプルな家」を選ぶべき理由を詳しく解説します。
①建物の寿命が延びている
技術や設計力の向上により建物の寿命は昔と比べて延びています。
つまり、多くの方が1度家を建てたら、その住まいで生涯暮らし続ける可能性が高いということです。
年齢と共に、好みのデザインや暮らしやすいと感じる間取りは変化します。
シンプルな家なら飽きがきにくく、住まいをカスタマイズしやすいため、ずっと住み心地の良い家になるでしょう。
②ライフスタイルの多様性
近年、ライフスタイルの多様性を感じる方も多いでしょう。
例えば、数十年前は自宅で仕事をしていた方は多くないですが、近年ではテレワークをする方の割合は急増しています。
また、コロナウイルスによってプライベート時間を自宅で過ごすことが大幅に増えるという期間もありました。
シンプルな間取りなら空間を作り込みすぎないため、状況に応じて住まいをカスタマイズすることができます。
また、将来的に暮らし方が大きく変わって転居が必要になった際にも、シンプルな間取りやデザインの家なら買い手が見つかりやすいというメリットも。
これからの時代を自由に無理なく生きるためにも、シンプルな家にするメリットは大きいでしょう。
③デザインの流行りが目まぐるしい
住宅やインテリア業界は、デザインテイストの流行りが目まぐるしく変化します。
10年程度を振り返っただけでも、可愛らしい南欧風が人気のときもあれば、かっこいいインダストリアルテイストに注目が集まっている時代もありました。
これらの個性的なデザインテイストが根っからの好みであれば、採用しても後悔しないかもしれません。
しかし、流行っているからという理由だけで取り入れてしまうと、数年後には飽きてしまう可能性も。
シンプルな家は流行りすたりがないデザインなので、長く愛せるマイホームになるでしょう。
④建物の価格が年々上昇している
建物の価格は年々上昇しているため、予算を下げたり建物を工夫して費用を抑えるという選択をする方も多いです。
注文住宅は、建物の面積を広くすれば価格が上がりますし、アクセントになる装飾を付けるほど費用が加算されます。
シンプルな家は、無駄な空間を極力なくした間取りにするため、面積をコンパクトにまとめることができます。
また、空間そのものを美しく見せるデザインなので、過度な装飾も必要ありません。
建物をシンプルにすることで、価格を抑えつつおしゃれさと暮らしやすさを両立することが可能です。
【7選】シンプルな家の間取りをつくるコツ
シンプルな家におすすめの間取りを紹介します。
①超シンプルな一直線LDKが使いやすい
シンプルな間取りにしたいなら、凹凸が少ない一直線のLDKがおすすめです。
一直線LDKは次のようなメリットがあります。
- キッチンからリビングまで目線が通りやすい
- LDK全体に大きな窓を施工しやすい
- 家族とコミュニケーションが取りやすい
- 凹凸がないため空間が広く見える
さまざまなメリットがあり、シンプルな形状のため他の空間とのつながりも作りやすいという特徴があります。
目線の通りや広さの感じ方を考えながら、LDKのレイアウトを考えましょう。
②LDKを中心に配置して廊下をなくす
無駄のないシンプルな間取りにしたいなら、廊下を極力なくす方法も検討しましょう。
廊下は空間同士をつなぐ通り道のため、極端な話をすると作らなくても良い空間です。
不要な空間を削減することで、建物がコンパクトになって費用削減にもつながります。
ただし、廊下がないことにより音や目線が通りやすくなって、プライベートな部屋を作りにくくなることも。
メリット・デメリットを考えながら、廊下の有無を検討しましょう。
③子ども部屋はカスタマイズしやすいように1部屋に
さまざまなライフスタイルに対応できる間取りにしたいなら、子供部屋はシンプルな1部屋にしておく方法もあります。
広々とした空間なら、お子様が小さなときは家族全員の寝室にする、兄弟で一緒に遊ぶ空間として使うなど活用の幅が広がって便利です。
お子様の人数や成長に合わせて壁や扉を付けたり、完全に分ける必要がないなら可動式の収納を置いたりしても良いでしょう。
子供部屋として使わなくなった後も、広々とした空間なら使い道のバリエーションが増えるケースもあります。
長い時間の中での使い勝手を考えて、子供部屋のレイアウトを決めてみてくださいね。
④通路と兼用の収納で効率の良い暮らしを
ただの廊下や通路を作るだけでなく、収納などの空間をプラスするだけで暮らしの効率は上がります。
こちらは玄関からキッチンまでつながる土間ですが、間にシューズクロークの棚を施工しました。
靴を脱ぎつつカバンやアウターを置き、キッチンへ直接行ける動線です。
その並びに冷蔵庫とパントリーもあるため、買い出しした食材をしまうまでの流れもスムーズに行えます。
このように、廊下を作るなら収納棚やカウンター、洗面台など別の用途として使えるようなアイテムをプラスしてみてくださいね。
⑤収納内の棚は過度に作り込まない
お住まいの中には、様々な収納がありますよね。
- 服などをしまうWIC
- 玄関周りのものをしまうSIC
- 日用品をしまう収納
- キッチン周りのものをしまうパントリー
これらの収納を採用するご家庭も多いですが、シンプルな家にしたいなら収納内の棚などのユニットは作り込みすぎないことをおすすめします。
例えば、WICなら上の画像のように、最低限の棚とパイプだけを施工した方が使いやすかったりします。
ライフスタイルの変化によって、持っている服・カバンの量や大きさ、種類などは異なるからです。
シンプルなユニットなら、後からパイプを二段にするため部品を買い足したり、収納ケースを置いたりしてカスタマイズできます。
そのときの暮らしに合った収納計画を立て、常にものが溢れないようにしておくことが、シンプルな家にするポイントです。
⑥どの世代でも使いやすいフラットな畳コーナー
シンプルな家で採用する畳コーナーは、フラットなタイプをおすすめします。
理由は次の3つです。
- 段差がなければどの世代でも使いやすい
- フラットなので圧迫感を感じずスタイリッシュ
- 掃除がしやすい
シンプルな暮らしを望むなら、長く使えて見た目もすっきりとしているフラットな畳コーナーがぴったりです。
もちろん小上がりの畳コーナーの良さもありますので、メリット・デメリットを比較して検討しましょう。
⑦壁に囲まれた中庭があれば外構もシンプルに
シンプルな家では、中庭もおすすめな間取りです。
なぜなら、家の中心に配置されることが多いため、様々な空間からアクセスができて便利だからです。
外からの視線も気にならないので、カーテンを付けずにスタイリッシュな内装にすることも可能です。
また、中庭があれば外回りに庭を作る必要がなく、シンプルな外観を作りやすい点も魅力でしょう。
コンパクトな敷地を選んで中庭を作り、外回りのメンテナンスをシンプルにすることもできます。
【4選】シンプルな家の外観をつくるコツ
シンプルでスタイリッシュな外観を作るコツを紹介します。
①建物形状は凹凸が少ないとシンプルに
シンプルな家は、建物形状に凹凸があまりありません。
四角形の家は存在感がありつつも、すっきりとまとまった印象を与えます。
メンテナンスもしやすく、耐震性が確保しやすいというメリットも。
ただし、何の工夫のない四角形の外観では、デザイン性がイマイチになるケースも多いです。
外壁材の種類や張り分け、玄関周りや外構にアクセントを入れるなどの工夫をしましょう。
②あえて窓を無くすという選択を
シンプルな家では、あえて建物の正面に窓を配置しないケースも少なくありません。
窓があると、外観のアクセントになってシンプルな外観にならなかったり、外からの目線が気になったりすることがあるからです。
また、窓からの雨だれによって外壁が汚れ、メンテナンスが大変になることも。
建物の正面に窓がなくても、建物・屋根形状そのものや外壁材の色・素材をにこだわれば、かっこいい外観を作ることは可能です。
他の面には大きな窓を設置したり、中庭を作って建物中央から光を取り入れるなど、日当たりに対する工夫も忘れずにしてくださいね。
③直線や斜線を意識するとスタイリッシュに
シンプルな家にしたいなら、曲線や滑らかさよりも直線や斜線などのスタイリッシュさを意識してみましょう。
片流れ屋根にする場合、上の画像のように勾配が見えるような向きで屋根を掛けると直線が強調されます。
また、玄関周りに斜めの壁を取り入れることで、洗練された印象に。
ただ、シンプルな建物形状にするだけでなく、細かなこだわりを詰め込むことが大切です。
④目地のない塗り壁はスタイリッシュで美しい
シンプルな家では、柄や目地のない塗り壁もおすすめです。
滑らかな表面は美しく、職人さんの手作業によるちょっとした凹凸もオリジナリティがあって素敵ですよね。
塗り方や細かな色の調整ができる塗り壁は、こだわりの注文住宅を建てたいという方にもぴったり。
スタイリッシュなシンプルモダンな家を建てたいなら、金属系の外壁であるガルバリウム鋼板も相性が良いです。
縦に伸びる凹凸が美しく、かっこいい印象を与えてくれるでしょう。
【6選】シンプルな家の内装をつくるコツ
内装をシンプルに仕上げるためのコツを紹介します。
①真っ白×ハイドアで洗練されたデザインに
シンプルな家の内装の基本は、白をベースにすることをおすすめします。
ただ壁紙や扉を白にするだけでなく、扉や窓を天井の高さに合わせたハイドア・ハイサッシを採用することで、よりスタイリッシュな空間に。
空間が広く見えたり、光や風を通しやすかったりするなど、多くのメリットがありますのでぜひ検討してみてくださいね。
②無地の内装材なら清潔感のある空間に
シンプルな内装に仕上げたいなら、無地に近い内装材を選ぶこともポイントです。
清潔感を出したいなら、明るめの色味を取り入れることが一般的ですが、無地なら暗めの色味でもすっきりとした印象に。
柄を取り入れたいなら、上の画像のような石目調・タイル調のような自然素材系の柄を取り入れることをおすすめします。
③家全体の床材を統一するとまとまりのある内装に
シンプルな家の内装にしたいなら、家全体の床材を統一することをおすすめします。
部屋ごとに床の色を分けると、ドアを開けたときなどに違和感が出て、ごちゃごちゃとした印象を受けることも。
クセのない色味の無垢床で統一することで、飽きにくく美しい内装に仕上がるでしょう。
④シンプルな内装なら別空間とも美しくつながる
LDKとつながる和室や趣味スペースをつくる場合、内装デザインをガラっと変えることもありますよね。
しかし、同じ空間に異なるテイストのデザインを取り入れると、ちぐはぐとした印象になってしまうケースも。
シンプルな内装材で空間全体を統一すると、まとまりが出て広さを感じやすくなります。
⑤交換がしやすい照明でこだわりのデザインを取り入れる
シンプルな家にアクセントを取り入れたいなら、照明やカーテンなどのインテリアをおすすめします。
これらのインテリアなら、比較的簡単に交換ができるため、気分や流行りに合わせたデザインを選びやすいです。
壁などにアクセントを取り入れたいなら、天然木やタイルなどの自然素材がシンプルな家との相性が良く、飽きにくいでしょう。
⑥玄関の正面が扉でも白なら気になりにくい
コンパクトでシンプルな間取りをつくろうとすると、玄関の正面などの目立つ場所にドアが配置されるケースもありますよね。
目立つ場所にドアがあると圧迫感が出てしまうことも。
そのようなときは、上の画像のような真っ白なドアを採用してみましょう。
壁と馴染んで圧迫感が無く、すっきりとした印象を与えることができます。
シンプルな家では、アクセントのデザインを考えるだけでなく、存在感を消すべき箇所も意識してみてくださいね。
まとめ
シンプルな家は、スタイリッシュなデザインを採用できるというデザイン面の他にも、暮らしの効率を高めたり長い間住みやすい間取りになったりと様々なメリットがあります。
ただ単に、シンプルな四角い建物形状や一直線のLDKを取り入れるのではなく、今回紹介したような細かなこだわりを詰め込むことでデザイン性や使い勝手がさらに高まるでしょう。
シンプルさにこだわって、住み心地の良いおしゃれな住まいを建ててくださいね。
アイリスホームでは、お客様の暮らしに寄り添った家づくりをしています。
シンプルな家にご興味がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。